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| CSS 『長男』というものは、ずっと俺の呪縛だった

――

黒兎です!

おそ松兄さんの話が何故か降ってきたんだよ……。

今回はシリアスじゃないですけど。

読んでくださったら嬉しいです。

良かったらコメとか評価とか……。


琥珀様から素敵なCSSをお借りしました!

http://uranai.nosv.org/u.php/novel/6a2859e4bc3/
一番上の兄。


長男といえばそれを指す。

そのポジションがどれほど憎いと思ったか、他の兄弟たちは知らないだろう。


――
小さい頃なら、そんなものどうってことなかった。

皆同じ顔なんだし皆巻き添えにしてしまえば、俺だけ怒られる、なんてことはなかった。



でも、6人で1人なんて、どうせ戯言に過ぎない。



1人はどうせ1人に過ぎないのだから。


それを痛感し始めたのは、それぞれに個性が芽生え始めたころ。


俺たちは単なるコピー&ペーストじゃない。


人間なんだから同じものなどないと、現実が俺に突き付けてくるのはどれもつらいものだった。





そのころから、だ。





「長男なんだからしっかりしなさい。」

「長男なんだから皆のお手本になるのよ。」




「長男なんだから」



耳をふさぎたくなるほど、大人たちは口を揃えてこう言った。

それが嫌で、反抗期には相当荒れたのも事実だ。



――
お「長男ねぇ……。」

ぽつり、とこう呟いた時、隣の少女は俺の顔を覗き込んだ。

『おそ松くん?』

お「あぁ、わり。

昔のこと思い出しちゃってさー。」



俺は陽気に笑って返す。


彼女は俺の彼女のYOUちゃん。


兄弟の誰にも知らせてない、大切な人。




本当は知らせたくてたまらないほどに愛しいけど、こればかりは取られたくないんだ。




『そっか、昔のことかぁ。

おそ松くんのところは六つ子なんだよね?』


どくん、と心臓が血液を押し出した。


お「ん、ん〜、そうだけど。」

『ねぇ、どんな感じなの?』


好奇心に満ちた、純粋な目。


悪意なんて欠片もないんだろうけど、その瞳は強く出来ているはずの俺の心臓を締め付けていく。


俺の唇は、一度文字をつむごうと開いてから、それからまた閉じられた。





お「……知りたい?」

『うん!』



俺は彼女に柔らかく微笑んで、口を開く。



お「じゃあ、まず次男からな。

あいつはほんっとにイタイの。

お兄ちゃんのあばら、ベキベキへし折るようなやつだよ。

釣り堀に行ったときは、本気で救急搬送されるかと思っちゃったよ。」


『うん。』


お「三男は、無駄に真面目でね〜。

ライジングぶってるから童貞に磨きがかかんだよ。

求人誌読んでても、結局入んなきゃ意味ねーよな〜。

最終的には結局働きたくないよね、とか言ってるし。」


『それは、おそ松くんも一緒でしょ。』


お「まぁな!

んで、四男はもう卑屈でさぁ〜。

コミュ障こじらせてんの。

猫しか友達いないからって、煮干し食べたときは怖かったね〜。

殺されるかと思っちゃった。」


『おそ松くんが食べなきゃ良かっただけじゃない、もう。』


お「え〜、俺のせい?

五男は毎日野球やってるちょっと四男とは別の意味で危ないやつ。

気が付いたらどぶ川でバタフライしてるし。

それもすんごい速さだからこえーんだよ。

いやー、弟怖いわ、マジで。」


『ふふっ、可愛いじゃない。』


お「そーかぁ?

六男はあっざとい。

おまけに勝手に俺ら差し置いてバイトしてんの。

何やってんだよ、あいつ。

ま、全員で退職に追いやったけどな!!」


『うわー、ひっどい。』


お「とか言いながら、なんで笑ってんの。」



彼女は、呼吸を落ち着かせるようにふぅ、と息を吐いて少しだけ朱く頬を染めた。



『でも、そんなに弟さんの悪口が言えるってことは、ちゃんと見てるってことだよね。



さすが、長男!』

お「……YOUちゃん、それやめてくれる?」



『へ?』


ぽかんと、開いた彼女の口。

出てしまった言葉は、止めることなどできずにぼろぼろと溢れ出る。


お「俺を松野家の長男として見ないで。

YOUちゃんは、俺を松野 おそ松として見て。



見たうえで、どろっどろに愛して。」

『どろっどろ、って……。

チョコレートじゃあるまいし……。』





お「松野 おそ松。

賞味期限は無くなってしまうまで永久です。

限定一名様までタダですが?」


と、ふざけて言えば、女神はくすりと笑った後。



『喜んで、お買い上げいたしましょう。

松野 おそ松くん?』

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マゾT・E - とても面白かったです! (2017年3月3日 17時) (レス) id: 89446e9827 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 百合松さん» シリアス?最終的には出す、みたいなのでもいい? (2017年1月12日 23時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
百合松(プロフ) - 黒兎さん» じゃあ十四松で自分の気持ちを隠すやつが良いなー!! (2017年1月12日 22時) (レス) id: c89c758830 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 百合松さん» マジかww突然シリアスネタ書きたくなるんだなぁ。何松のどういうの見たいって言ったら、私書くよ? (2017年1月12日 22時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
百合松(プロフ) - 黒兎さん» シリアスじゃ無くても、最後のところがジ〜ンと来ちゃって、、、僕の涙腺崩壊しやすいのだ!! (2017年1月12日 22時) (レス) id: c89c758830 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒兎 | 作成日時:2017年1月12日 17時

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