【銀魂】ふれた、ぬくもり【日替わり】

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今日、あなたとふれたのは…？ - 2024年5月8日

【斉藤終】2




『……終兄さん、ここにいたんですね。忘年会はもういいんですか』



心地のよい夜の風が吹いている縁側に、終兄さん＿＿もとい、斉藤終が、ひとり座っていた。


…というのも、現在屯所では忘年会などという酒飲みイベントが行われている。


私も少しばかり酒を飲んできたが……まだ成人したばかりでなれておらず、さらに、酒を飲んだ騒がしく酒臭い男たちに対応するのが面倒臭くなり、抜け出してきたのだ。




…途中から姿が見当たらなかった終兄さんのことが気になった…というのもあったが。




＿＿＿当の本人は、相も変わらず無言で、こちらを見るだけである。


そんな彼の横に腰かけ、ぼんやりと星空を見上げた。



『終兄さんは、お酒、飲みましたか？』

「…。」


彼に目を移してみると、コクリと頷いていた。


『そですか。』


さーっとふいた風に、彼のふさふさな髪が揺れた。


(……触ってみたい)


…急に、そんな衝動に駆られた。


気づけば私の手は、彼の髪に触れていた。



「……！」



驚いている彼をよそに、私はわしゃわしゃ頭を撫でていた。


『ふふ…、終兄さんの髪、ふわふわ…』



…なんだか、頭がふわふわし始めた。…ああ、これが”酔っぱらう”ってことなのだろうか。


…だんだん思考が停止しはじめ、眠くなってきた。



＿＿＿と。


ふいに、彼は、私の撫でていた手をとった。



…酒のせいか、彼の頬は赤く染まっている。

しばらくの間、互いの目を見つめ合っていた。…彼の顔を、こんなに間近で、見たことがなかった。



＿＿＿何も、考えられない。



…少し流れた沈黙を破り



『…終兄さん、私、アンタのことが…ずっと、……好き』



気づけば私はそんなことを言っていたらしい。＿＿だが本心である。



……すると、掴まれた手首をぐっと引き寄せられ、……気づけば、彼の唇と、私のそれが、重なった。


『…ん、』


そして、彼の腕に閉じ込められた。





＿＿＿なぜ彼はこんなことをしたのだろうか。…彼も、私に惚れてくれていたのだろうか。





…記憶が曖昧である。＿＿＿＿きっと、酒のせいだ。




＿＿＿触れた唇の熱だけが、残っていた。



＊＊＊



(……ついに、手を出してしまったZ……不覚。)

＿＿＿男は、自分の腕の中ですやすや眠る女を、大切にその女の部屋まで運んでやった。



＊＊＊


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