【進撃】俺の女の10のイイとこ。【リヴァイ・夜向け】

23種類の結果パターン

触れてもいいか？ - 2024年5月7日

＊今日はあなたの「髪」に焦がれる兵長です＊

壁外調査の準備も兼ねて、今日の訓練は屋外だった。

念仏のように長いエルヴィンの話を、何食わぬ顔で聞き流して、視線だけを持ち上げる。

「ミカサ、ちょっと待って！それ、私の分だよ！！」

「あなたより私の方が、ずっと力がある。…ので、別に構わない」

「そんな、だめだって！」

視界の端を、右に、左に。

新兵のガキどもが支援物資を運んでいる、その列の中に、目ざとくも俺は、あいつの姿を見つけていた。

前方の同期を追いかけていく、酷く非力なあいつはーーー。

…見間違えようも無く、俺の女だ。

角度によって、変化する色彩。
柔らかに風を孕(はら)んだあいつの髪が、太陽の光に透けて見える。

あぁ。

奥歯を強く噛んで、溢(あふ)れ出しそうな欲望を呑み込む。

ーーーあの髪に、はやく、触れたい。

手櫛(てぐし)で梳いて、後頭部に触って、地肌にキスを落としたいーーー。

おい、聞いているのか、というエルヴィンの問いかけに、あぁ、と曖昧な返事をする。
解散、という言葉を待って、あいつの元へとまっすぐ向かった。

「ぎゃ！？」

「…来い。話がある」

直裁な言葉だけ吐いて、あいつの襟首を後ろから掴む。

俺の登場に驚いたガキどもは、慌てて姿勢を正し、心臓を捧げる敬礼を取った。

…俺の欲望に気がつく奴は、まだしばらくは、出てこないだろうな。

頭の隅でそんなことを考えつつ、情けない声を出すあいつを、小屋の裏へと引っ張った。

待ちきれず髪に触れながら、地肌に唇を落としていく。

「…外でこんなの…、困ります」

「…俺は困らねえ」

年上の優越感だろうか。
…俺も相当、意地が悪い。

ふと湧き上がった悪戯心に、ほんの少し頰を緩めた。

「…じっとしてろ」

「…え？」

髪をかきあげ、剥き出しになった首筋に、唇で吸い付く。そのままそっと歯を立てて、痕(あと)を付けた。

「…痛い！」

「当然だ。痛くなければ、意味がない」

所有印に驚く、あいつの頭を撫でる。

…どんなことにも、予防線を張っておくべきだ。

いつか、あいつらのうちの誰かが、こいつの魅力に気付いてしまう前に。

俺のようにあられもなく、こいつに夢中になってしまう前に。

「…勝手に、どこかへ行くなよ」

微笑みながら言い捨てて、背を向ける。

みんなにバレる、と喚く声を聞きながら、

「…馬鹿。ちゃんと髪で、隠れる所だろうが」

溢した独り言は、きっとあいつには聞こえていない。

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