【ハイキュー】今日の日替り赤葦くん。

2種類の結果パターン

今日の赤葦くんは… - 2024年5月8日

｢本当に木兎は…！よそ見してサーブ打って人に当てるとか、聞いたことないよ、ごめんね？｣

｢いえ…｣

苦笑しつつゆっくり歩く。
(いないところで)木兎さんを叱りつけるのは、梟谷バレー部のマネージャーであり、木兎さんの幼馴染みでもあるYOUさん。

俺の初恋の人。

｢大丈夫？歩ける？｣

突然綺麗な顔が振り向いて、一瞬動揺する。


仲間内によると、高校二年の初恋は遅いらしい。
今までは友達が、好きな人と話すのが緊張する、と言っていたのを聞いて馬鹿らしいと思っていたが、前言撤回だ。確かにこれは心臓に悪い。


｢…はい｣
｢なら良かった、捻挫かな｣

足首がまた痛む。

そして、木兎さんのことを話すYOUさんを見て、心もまた痛んだ。



木葉さんとサーブ練をしていた木兎さんがよそ見をしつつ強烈なサーブを打ったのは先程で、俺の元に来たそのボールを避けようとして足を捻ったのだ。
俺にとっても格好良くない話だ。



｢でも、木兎は変わんないなー…｣
｢え？｣

YOUさんが懐かしそうになる。

｢小学生の時も、公園で変な方向にサーブ打って人ん家の窓ガラス割っちゃって、木兎泣いてさぁ。謝りに行ったら優しい人だったから良かったけどね｣

また、心が痛む。

木兎さんの話をするYOUさんは本当に楽しそうで、少し嫉妬した。
だから、ポロっと溢してしまったのは無意識だった。


｢本当に、木兎さんのこと好きなんですね｣
｢え？｣
｢…木兎さんのこと話してる時のYOUさん、楽しそうですから｣
｢待って！…待って｣


居心地の悪い沈黙が続く。


｢…すいません｣
｢…ううん。私も、ごめん｣

YOUさんがこっちを向いた。
綺麗な瞳。
吸い込まれそうになる。

｢でも、好きな人は別にいるから…覚えといて｣
｢誰ですか？｣

重ねて問う。

YOUさんが赤くなった。

｢言うわけないでしょ！｣

溜め息をつかれて、思わず苦笑する。
可愛いな、なんて。
俺のことを好きじゃない人にそんなこと？


保健室に着いて、それでは、と去ろうとしたとき。


唇が熱を帯びた。


｢…え｣
｢さっきの、答え！好きな人誰かってやつ!!因みに私は好きでもない人にキスなんてしないから！｣



…敵わないな。やっぱり。

苦笑を漏らす。
足首の痛みは、もうすっかり引いていた。


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赤葦くん×先輩マネ

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