marry me .

11種類の結果パターン

ニートなんて言わせない｡ - 2024年5月5日

*一松 A


『一松〜…重い』

「重くない」

『私は重いの〜』



雑誌を読んでいたら一松が
私の背中にのしかかってきた｡

まぁ､何言っても退かないことは
経験上知ってるから取り敢えず放置｡



『それ楽しいの?』

「温かい」

『こたつ入りなよ』

「YOUがいい」

『はいはい』



聞く耳なんて持ってくれません｡
一松はそーゆー子なんです｡


スキンシップが好きなのか
私にはやたらとべたべた触れる｡
胸揉んだり内腿撫でたりする｡


止めても止めない｡それが一松｡



『あ､ねぇ一松見てよ』

「ん」



最高のウェディングを…なんていう
雑誌の特集で着飾った女性が幸せそうに
ブーケ持ったりケーキ食べたり｡

こんな風に幸せそうな顔してると
やっぱり羨ましいな…なんて｡



『ウェディングドレス､綺麗だね』

「さぁ」

『えぇ…素敵じゃん』



う〜ん…と彼は少し考えた後
私の耳元でぼそりと呟く｡




「YOUが着たらさぞかし綺麗で
　かわいいとは思うけど他人は別に」



また発言がストレートですね｡
不本意にも熱くなる顔が情けない｡



『一松くん照れますそれ』

「かわい」

『わ､っ』



耳朶をかぷりと噛み付かれ肩が跳ねる｡
もぞ…と彼の手が動いて私の腰を撫でた｡


びくんっ！と肩が跳ねると
ひひっ､と小さく笑う一松くん｡

SなのかMなのか最近分からない｡




『ちょ…待って』

「てか､そんなにそれ着たいの?」

『だっと特別だし…』

「ふぅん」



どうでもいい､という様に立ち上がって
がちゃっと冷蔵庫を空け戻ってきた｡




「着れるよ」

『はい?』

「これ」



見せられた小さな箱｡
今､冷蔵庫から出したよね…?



『いま…冷蔵庫から』

「手出して」

『ハイ』



ぱかり､と開けた箱には小さなリング｡
キンキンに冷えた氷みたいなそれを
私の薬指にそっと丁寧にはめた｡


正直､薬指が壊死しそうですが
やっぱりここは嬉しさが勝る｡



「そんな､上手く言えないけど…その」



少し言い難そうに言葉を濁す彼｡
やばいやばい､視界が歪んでく｡



.



「…俺の､かみさんになって」



少し染まった彼の頬｡



『勿ろ…んっ』

「ん」



最後まで言う前に口を塞がれた｡

深い深い口付けの後､私の口内を
彼の熱くて柔らかい舌が乱す｡



「すき」



満足そうに微笑む一松に



『私も好きだよ』



幸せで涙が頬を伝った｡


***

「え､ちょ…なんで泣くの｡嬉しい?
　それは俺もだけど､あの…評価を…」


.

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