酒は飲んでも呑まれるな【HQ/日替わり】

7種類の結果パターン

今日は帰らせない。 - 2024年5月3日

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❥❥ 西谷夕



「夕先輩、離してください」

「嫌だ」

「……どうしたんですか急に」




壁に私を押さえつけているのは、お付き合いさせてもらっている夕先輩。高校からの付き合いだけれど、こんなに切羽詰まった彼を見るのは初めてだった。


顔を真っ赤にさせて、息を荒げて。
……まさか、この人……。




「…酔ってます？」

「……酔ってねえ」

「そんなになるまで飲んで、何かあったんですか」

「……っ…うるせえ」




次の瞬間、荒々しく奪われた唇。
何度も何度も啄むようにキスをされ、どんどん互いの体温が上がっていく。




「……んっ……はぁ、せんぱ……っ…」




いつになくがっついてくる夕先輩に驚きながらも、満更でもなかったので黙って身を委ねる。
しかし、先輩の手が私の服の中に滑り込んだ時は、流石に抵抗した。




「…い、やっ……！」

「……！す、すまん」




夕先輩はようやく我に帰ったのか、乱れた私の服装を整えてくれる。
その際、何度も小声で「ごめん」と謝り続けていた。
こんな弱気で、余裕のない先輩は初めてで、やっぱり何かあったんじゃないかと考え直した。




「……お仕事で何かあったんですか」

「………いや。本当に大したことじゃねえんだ」




話によれば、夕先輩は
飲み会の席で彼女がいることがばれ、お前に女心なんかわかるのか、いつか愛想尽かされるんじゃないのか、なんて揶揄われたらしい。
焦りを感じた結果、あの様な行動を取ってしまった……そういうことだという。




「…夕先輩」

「は、はい」

「私、先輩から離れたりしません。だから安心してください」

「……！ほんとか……!?」




夕先輩の顔がぱあっと明るくなる。単純だなあと思いながらも、キラキラと目を輝かせている先輩をそっと抱きしめてやる。
ぽんぽんと背中を叩けば、先輩はぴしっと固まってしまう。やっぱり変なところでウブだ。




「だから、その……ああいうことはもうちょっと心の準備が出来てからで」

「ほんとにそれはごめんなさい」





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