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あなたの本日の占い結果です - 2024年5月8日

神谷さん×記憶喪失




“ーーーざまぁみろ…！”


誰のか分からない声が頭の中でこだまする。
ガンガンと頭が痛くて、その痛みに抗うように強く息を吸った。それと同時に見開かれる目。

チカチカするほど眩しいのは真っ白な天井につけられた蛍光灯の所為。目を覚ました！と慌てて部屋を出て行く人や、私の顔が見えますか？と聞いてくる人まで、何だか慌ただしい。


「名前、言えますか？」

「…、えっと、」


言い淀む私に目の前の人の顔が曇る。格好からして看護師さん。そんな当たり前のことはわかるのに自分の名前がわからない。


「…っ、YOUさんっ！」


誰かの名前を呼びながら部屋に駆け込んできたのは、男の人。かっちりスーツを着こなして、真ん中で分けた髪の毛が乱れてる。息を切らしながら部屋に入ってきて、私の手を握った。


「目を覚まして良かった…っ」


どうしてそんなに泣きそうなの？と聞きたくなった。あなたは誰ですか？と聞きたくてもこの人の顔を見てたら、その言葉がこの人を悲しませてしまうことくらい容易に想像できて聞けなくなる。


「あの、神谷さん。まだ目を覚ましたばかりなので一回外に出てください。YOUさんは今記憶が曖昧なんです」

「…え、」


YOUさん、って私のこと？なんか聞き覚えがあるのはそういうことなんだろうか。


「俺の名前、わかりませんか？」

「え、っと、、」


神谷さん？でいいんだよね。看護師さんがそう呼んでたんだもん。でも、私はこの人の顔に見覚えはないし、この人の名前にもなんだか違和感がある。


「俺は…っ！」

「ちょっと神谷さん！」


何かを言いかけて止められる。
俺は、の後が気になるのはどうしてなんだろう。


「YOUさん。忘れないで、」


どうしてそんなに泣きそうなの、ともう一度聞きたくなった。お願いだから、そんなに悲しそうな、愛おしそうな目で私を見ないで。

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