もう待てねぇ...【文スト 日替わり】

36種類の結果パターン

あなたの本日の占い結果です - 2024年5月9日

今日のお相手は...?



ドンッと銃声が響く｡

『流石だね安吾君!』

「あまりよそ見をしないで下さいよ｡って言うかこんなとこまでついてこないで良かったんですよ?」

『だってお兄ちゃんもお父さんもあたしに今日の事秘密にしてたんだよ?後をつけるなって方が無理でしょ?』

「あなたの方が流石ですよ...」

何処かから遊園地の愉快な音楽が響いた｡

しかしその楽しそうな音楽は今は何処かそら恐ろしい物のような気がした｡

『で?なんでこんなとこに来て銃声を轟かせてるんですかー?』

「何も知らずについてきたんですか!?」

安吾君が溜め息をついた｡

「失踪者の捜索ですよ｡廃業したはずの遊園地でその人影を見たと言う証言が出てね」

『それでここに来たと』

「そう｡さっきのウサギの着ぐるみのような化け物が他にもいるかもしれない」

『それが人さらいの犯人?』

「いや､犯人はピエロです」

『えっ...ピエロ...?』

今まで意気揚々と喋っていたが一瞬で喉がカラカラに乾いたのが分かった｡

「どうしました?」

『いっいや?何でも...ない』

思いっきり裏返った声に安吾君は不審そうな顔をしたが､状況が状況なのですぐに目をそらした｡

「さて､大分奥の方まで入ってきてしまいましたがそろそろ主犯に会ってもおかしくないですね」

『そっそう...』

その時だった｡何処からともなく目前にピエロが現れたのは｡

心臓が早鐘を打つ｡

変な汗が背中をつたった｡

「YOU!?」

顔色を悪くして動けないでいるあたしに気づいた安吾君が叫ぶ｡

しかし叫んだ時にはもうピエロはあたしの目の前だった｡

恐怖で動けない｡

もう駄目だと思ったその時､ピエロはあたしに触れることなく軸を失ったように地に伏した｡

『安吾君!!』

「全く...だから目が話せないんだ...」



『って言うゲームだよ!!』

あたしはいつもより声を張るようにして言う｡

その声もゲーム機から流れる音でかき消されそうだった｡

「YOUさんの主観が入りすぎてどんなゲームかさっぱり伝わってこなかったんですが...」

『とにかくピエロ倒すの!銃でバンバンって撃つの!楽しいから一緒にやろ?』

「...ちょっとだけですよ?」

『やったー!』

今日はいつものメンバーでゲームセンターに来ていた｡

太宰と中原は向こうでレースゲームをやっているようだ｡中原の怒声がここまで聞こえた｡

その声を背中にあたし達は小さな遊園地へ足を踏み入れた｡




美紅さん!
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