TVXQ　奏心な愛　1　～ユチョン～

今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:191,338 hit

Aさんの診断結果

第28話：彼女の心の傷　～ユチョンside～
エリちゃんとチャンミンのバトルも一段落し(苦笑)、美味しいお鍋も食べて少しまったりとした時間が流れた。
俺は、机の上にきちんと並べられている数冊の楽譜を見つけた。

「たくさん楽譜ありますね。見ていいですか？」
「ええ、どうぞ。」
彼女に承諾を得て机に向かった。

数冊の楽譜の背表紙を指でなぞっていたら、その中の一冊になぜか惹かれた。

俺はその楽譜を何気なく手に取り、パラパラとめくり始めた。

ちょうど真ん中あたりまできた時だった。楽譜の間から何かが床にするりと落ちた。
目をやるとそれは、ネックレスと1枚の写真だった。

床に落ちた写真にはAさんと男性が写っていた。
ピアノの前に座り幸せそうに微笑むAさん。そんなAさんを後ろから抱き締めている男性。
俺は写真の男性に少し嫉妬心を感じた。

「あっ、見ないで！！」
Aさんは急いで俺のところに来ると写真とネックレスを拾った。

「すみません…僕、見るつもりじゃ…。」
Aさんの過剰な反応に少し戸惑った。

「ユチョン気にしないで！…お姉ちゃん、まだ持っていたの？」
エリちゃんの言葉にAさんは涙ぐんだ。
「もう、シュンのこと忘れたら？」
…シュン？写真の男性の名前だろうか？…きっとそうだ。
名前を聴いた瞬間にAさんの目から涙が落ちた。

「大丈夫ですか？」
Aさんの涙を見ると俺はこれしか言葉をかけることが出来なかった。

「ごめんなさい。ユチョンさんは悪くないの…。」
彼女の心の奥深くにしまい込んでいた悲しみを、俺のせいで一瞬にして思いださせてしまったのかもしれない…。
そう思うと心が痛んだ。

「…うどん、買ってくるね。」
そう言って財布だけを持ち、Aさんは部屋を出て行った。

部屋には気まずい空気が流れ、俺はどうしていいかわからなかった。

するとチャンミンが何も言わずAさんのコートを持ち、追いかけるように出て行った。

「…チャンミン？！」
チャンミンの予想外の行動に驚きつつ、本当は俺が追いかけたかった…。後悔が襲った。

大事なところで俺は何やってるんだよ…。
俺は心の中で自分を責めた。