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ぼぉー
ぼぉー

潮のにおいに,船が鳴らす長声一発.

風になびくワンピース.

まぶしいくらいに照り付ける太陽.

そのどれもが素晴らしく感じてしまうほど,今日の私はとても高揚していた.

ここはとある港町・スライラ.

私はこの街へとある目的からやってきた.

***

ぎしっ
ぎしっ

床がきしむ音がする.

聞いていたのと少し違うみたい.
ほんとうにここであっているのかしら?
少し心配になりながら広い店内を進む.

数分ほど歩いたところで,突然開けたところへ出た.

繊細で華奢な装飾品に品が良い壁紙,床板.

「いらっしゃい.
始めましてのお客さんね.
どうぞ,こちらへいらして.
今日はどのようなご用件でいらしたのかしら?」

部屋に響く声に椅子に座ってくつろぐ美しい女性.

そして.

部屋中に飾られた色とりどりの宝石.

そう,この店は知る人ぞ知る宝石店・アイリスだ.






















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作者名:林鈴 | 作成日時:2022年12月2日 17時

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