僕等の恋の行く末は 完結編

side F ページ19

「北山も、寝ててもいーよ？」

「いや、俺ねむくねーし。藤ヶ谷運転してくれてんのに悪いだろ」

「そう？昨晩のせいで北山もお疲れかなって」



俺がそう言って、ちらりと横を向くと、北山は頬を一瞬染めて、パッと視線をそらす

あ、照れたな

こういうところが…何年一緒にいてもかわいいなと思ってしまう



「あ、のさ…藤ヶ谷」

「ん？」


丸い、大きな瞳がこちらをゆっくりと向く

「次、は…」

「うん」

「次は…藤ヶ谷と、繋がりたい、な…なんて」


そういうと、北山は、何言ってんだ、俺と一人でボソボソつぶやきながら、完全に顔をそむけて窓の外を見てしまった
ったく、なんでコイツはこんなにも…


「北山」


俺が名前を呼ぶと、少し赤い顔をゆっくりと向ける


「俺、北山が好きだよ」

「なっ…なんだよ、いきなり///」

「次は俺も、北山のナカ、知りたい」

自分で言っておいて、その光景を想像するだけで、ハンドルを握る手に思わず力が入った
だけど、よこしまな考えだけではない、俺の気持ちも伝えたくて
一瞬だけ、北山の方を見つめて、まっすぐに伝えた


「なっ…//藤ヶ谷お前何言って！！」

「え？北山が先に言い始めたんじゃん」

「あー！もう！いいから！！忘れろ！」


ますます顔を赤くする北山の方を見ながら、不意に幸せな気持ちになる

あぁ、こういうのを、
俺はずっと求めていたのかな


「ね、北山」

「なんだよ、もう！///」



ハンドルを握ってきた左手を外して、北山の右手に重ねた
温かな温度に心が満たされる

「こうしてて、いい？」

キュッと手をつなぐと、北山が小さな声で呟いた


「俺も…藤ヶ谷が好き、だから…」


笑った顔も、照れた顔も、これからもずっと君の隣で見守っていきたいな


「アイツらのために来たのに、俺達も一緒に幸せになっちゃったね」

「…だな」


そう言ってはにかんで笑うその笑顔は、これからずっと、俺が守っていきたい

そう思いながら、頭の片隅で、昨晩見た妖艶な北山の表情を思い出して、今度はもっとちゃんと、北山を抱きたいな、なんてやっぱり邪なことを考えながら、東京への帰路、車を走らせた


「来るときは、どうなることかと思ったけど、コイツラも、俺達も…よかったな」


そういった北山の表情は、本当に嬉しそうだ


「ま、ハッピーエンドってことで」

「…だな」


俺たちの恋の行く末は…幸せに満ちている






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