会えない数だけ (ページ23)

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ただただ何もない平凡な月曜日

大雨だと思って外を見たら綺麗に晴れていた

「とうとう天気まで私に味方してくれなくなったか」

窓越しから覗く太陽に目を合わせ

心の中で笑ってやった

荒れ狂う自室

散らばっているのは自分で買ったもの、

友達から貰ったもの、親に買ってもらって貰ったもの

ではなく

全て美勇人がくれた物だけが部屋のあちこちに

投げ飛ばされていた

大切にしていたクマのキーホルダーも

卒業式に貰った美勇人のネクタイも

肩を抱き寄せ2人して照れ笑いしている写真も

たくさんの写真立ても

love-tuneのみんなと凪と撮った写真も

全部全部割れて破れていた

まるで自分の記憶から

森田美勇人

という存在が消えたかのように

「片そ、」

なんの感情もなく、大きなゴミ袋に

割れた写真立てと破いた写真を拾い集めた

「、、、痛っ」

写真立ての硝子を強く握ってしまったのか

右手の薬指からの血が止まらない

リングをしているから圧迫しないようにと

急いで外そうとしても外せない

「ない、なんで」

何回見てもリングはなかった

おかしくなっている時に箱の中に入れたんだろうと

ティッシュを取るついでに覗いてみた

「私のじゃない」

どう見たって私より大きいサイズのリング

聞かなくても分かる、美勇人のものだってことを

下の箱をスライドしてもリングはない

もちろん美勇人の家の合鍵も

「うぅ、、、バカ、、、」

" 待ってて、迎えに行く "

代償として入っていた一枚の紙切れ

待ってるから、ずっとずっと待ってるから迎えに来て

早く会いたい

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