会えない数だけ (ページ13)

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『ちょ、A泣かないでよ！
俺それは聞いてない！！！』

「、、、うっさい」

突然泣き出す私にオドオドする美勇人

『Aこっち向いて？』

「やだ、今顔悲惨」

『ハハッ(笑)
分かってる、アイラインだっけ？
真っ黒なんでしょ(笑)』

扉の近くにいる美勇人と指定された机のそばにいる私

距離が遠くて顔が見えない

私だって見たいけど見れない

顔が酷いのは元からだからいいけど

今美勇人の顔見たら、もっと泣きたくなる

「分かってるなら聞くな」

『卒業しても当たり強いのは変わらないな(笑)

じゃーあ、これならいいっしょ？』

近づく足音に後ずさりする私

下がってももう後ろは壁だからこれ以上は下がれない

『はい、俺の勝ち(笑)』

「うっ、苦しい、、、」

『これくらいがちょうどいいの』

私の腕をちょっと強引に引っ張って

頭から優しく、でもちょっと強く

優しく抱きしめてくれる

「、、、今日、来て、欲しかっ、たの、、、」

『うん』

「でも、美勇人仕、、事だか、ら、、、
我慢して、言えなか、、ったの」

『うん』

「凪が朝、謙ちゃん来、るって言っでで、、
羨まし、、、かったし、、、晴れ姿見てほしがっだの」

『うん』

泣きながら、途切れ途切れで話す私を

落ち着かせるように背中を優しくさすってくれる

大好きな優しい声と一緒に

「うぅ、、、でも、来てくれて、嬉しかっ、たの

美勇人、、私卒業、出来たよ」

そう言って精一杯の笑顔を美勇人に向けた

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