煙草の味がした (ページ41)

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Hikaru.

ステージを降りて直ぐ、
俺達はAを探した

けど、控え室に荷物は無いし
スタッフさんに居場所を聞いても

誰も知らなかった

『あっ、萩花さん』

萩「お、お疲れ様～。ライブ良かったよ～！」

『ありがとうございます。
あの、いきなりで申し訳ないんですけど、』

" Aのこと？ "

聞きたいことを読まれ、
そのまま俺は頷いた

萩「何処にいるかは知ってる。けど教えない」

『なんで、』

萩「教えたらどうするの？お休みするのやめて、って言うの？」

『だって相談無しに話が勝手に進んでたから』

萩「その環境を作ったのは誰？」

『えっ？』

萩「私は馬鹿じゃないし大人だから分かるよ。
岩本がどうしてその女と今も居続けてるのか」

ヒヤッとした

これはAと加入組以外しか
知らない話なのに

萩「でもそのおかげでAを傷つけた。
ようやく傷も癒えて頑張ってるっていうのに。
嘘だって分かってるけど、Aをまた傷つけたのは
たとえ相手がメンバーだろうと親だろうと
私は絶対に許さないよ」

『っ、』

萩「馬鹿みたいに純粋で素直。
負けず嫌いで、よく泣くけど努力家で？
よく笑って甘えん坊で人懐っこい可愛い子」

萩「でもあの子も1人の、本当にごく普通の女の子。
誰よりもネガティブでそれでいて凄く傷つきやすい」

萩「この10年、Aの何を見てきた？
それは岩本が1番知ってるんじゃないの？」

『はい、』

知ってるよ

俺の後ろ引っ付いて
ひーくん！ひーくん！って

犬みたいに可愛くて
よく笑うし、その分すげえ泣くの

そんなん、俺が1番知ってんだよ

萩「ちゃんと考えて、皆んなで」

『はい』

萩「じゃあね、お疲れ様」

『お疲れ様です、』

先に行った萩花さん

萩「あ、言い忘れた。Aのこと狙ってる奴なんて
その辺に沢山いるからね～！」

この人はなんでも知っている

だから凄え怖い

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