煙草の味がした (ページ25)

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Shota.

翔「ったく、自分で行けよな」

Aを送り届けて照に連絡すれば

Hikaru明日Aのこと迎えに行ってほしい

Aのことが誰よりも心配で

でも自分の手で助けられないから
1番事情を知っている俺に頼ってくる

翔「早く誤解解けばいいだけの話だろうよ」

それが出来たら、今頃
俺はこんなことしていないけど

「んー、おにぎり全部食べ切れる気がしない」

翔「マジで美顔器だけど？」

「ほんっと脅しは勘弁(笑)」

助手席でおにぎりと格闘するA

嫌々言いながらも笑って
ちゃんと食べるから偉い

「ねえしょっぴー」

翔「ん？」

「あれ見て」

信号が赤になり、
Aに言われた方を見る

「ひーくん、またあの人といるね」

翔「えっ？」

「あの人彼女？」

翔「あの女はそう思ってたとしても、照はそう思ってねえよ」

「何それ(笑)」

翔「お前は知らなくていいよ」

瑠夏

Aと照の仲をズタズタに
引き裂いた女

「ねえ、あの人の名前ってさ」

翔「うん」

「瑠夏、って名前でしょ？」

翔「えっ？」

「6年前、私と話さなくなったあの日から。
ずっと付き合ってる人なんだよね」

翔「A、」

「まあそうだよね(笑)
だってあの人綺麗な人だもん。
ひーくんが捕まえないわけがないじゃん」

確かに見た目は
まあ悪くないかもしれないけど

中身は最悪だ、汚ねえ

そんな奴に綺麗だなんて
簡単に言えるAはなんなんだ

翔「泣かないの、お前」

「ん？泣かないよ(笑)
もうひーくんのために涙流しても意味ないって分かったから」

そう言って残り一口の
おにぎりを頬張っていた

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