シロツメクサの花冠 (ページ40)

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『なんで俺らの周りに女子こんなにいるわけ』

莉「え、何、慎太郎って鈍感なの」

「少しばかり天然な気がした」

仕事が終わって6人で歩いていれば

自然と女子が彼等の周りに集まってきて

声を掛けずに後ろから追ってくる

莉奈は樹と付き合ってるから

百歩譲って仕方ない、なんて目で見られているけど

私なんて誰とも付き合っていないし、

此処にいないけど、鉄パイプからも言い寄られていると

学年中に知り渡っているから、よく睨まれる

北「Aまた睨まれてんじゃん(笑)」

「ねえ、本当に笑い事じゃないから」

『なんで睨まれんの？』

樹「彼女でもない奴が俺等といるのと、
永瀬から言い寄られてるから、ってね？」

『はぁ？そんなの妬みじゃんか』

「大丈夫、別にそこまで気にしてないし。
気にする程のことでもないじゃん？
勝手に言ってればいいだけの話だしね～」

北「意地張っちゃって」

「別に張ってないし」

樹「お前も十分可愛いからな？」

北「彼女持ちがそれ言う？」

莉「大丈夫、これ昔からだし、私気にしてないし
Aが可愛いのは事実だからなんとも思わない」

北「まあ樹だしな」

ジ「Aは可愛いから皆さん嫌わないでね～！」

「ちょっと、ジェス！」

なんて近くに女子がいるのにも関わらず、

こうやって色々言っちゃう彼等は

なかなかの強者なのかもしれない

『A』

「ん？」

『手貸して？』

「へ？」

『いいから』

「んー、分かった、はい」

『これで怖くないでしょ(笑)』

「寧ろ睨まれるんだけど」

北「まあいいじゃん(笑)」

「北ちゃんマジでさ、、」

ゴツゴツした左手に私の手が包まれて

私の手は徐々に熱くなる

だけど彼の手も自然と熱くなってきて

「手汗かかないでよね」

『Aもね』

「かかないから」

意地張ってるというか、言われていい気はしない

きっとそれが顔に出ていたんだろう

彼がそれに気づいてそっと手を握ってくれた

昔からそうだね

私が言われて嫌な気持ちになった時

そっと手を握ってくれる

「ありがとう」

『ん？』

「うざ(笑)」

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