シロツメクサの花冠 (ページ22)

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Shintaro.

" 呑気に部活行ってる人が、急いでるとか
すげえ無責任な言葉 "

そう永瀬に言われた言葉が離れない

今思うと本当に無責任な言葉

彼女の言葉に甘えすぎた俺が100%悪い

『まただ、』

風呂上がって部屋に戻れば、明かりのついた彼女の部屋

きっと、企画書を書いてるに違いない

『ねぇ、』

「わっ、不法侵入」

『鍵かけないのが悪い』

鍵のかかっていない窓に手をかけ、彼女の部屋へと入る

一瞬俺に目を向けたが、直ぐに机へと目を戻された

俺はそのまま彼女の向かう机へと近づく

ほら、またそうやって

『なんで？』

「えっ？」

『俺ってそんなに頼りない？』

「や、ちがっ、、」

『俺とやりたくなかった？
北斗とかの方がよかった？』

「ちょ、しんたろ、、」

こんなことが言いたいわけではない

けど、頼られてないのが嫌で

口だけが先走ってしまった

『俺のこと頼ってよ』

そう言うと、持っていたペンを置いて

静かに企画書を見つめ、鼻をすする彼女

「だったら、、だったら助けてよ！」

『ちょ、でかいって』

「慎太郎が！こないだの大会で落ち込んでたから
もっと頑張ってほしいから、部活行っていいよ、って
確かにそう言ったけど、全部やるとは思わないじゃん！
帰って来たらやってくれてもよかったじゃん！
私だけ徹夜までしてみんなの身に付ける物考えて、
どうかな？って聞いたら口々に反対されたりして。
避難浴びるの全部私で、慎太郎には何にも害がない。
帰ってもゲームばっかりの慎太郎に、頼ってよって
そんなこと言われたって頼れるわけないでしょ！」

泣きながら、俺に向かって

ただひたすら大声を出して言ってきた

『今から、一緒にやるか、、』

「もういい、終わった、帰って」

『えっ、、』

「いいから帰ってよ！今は慎太郎の顔も見たくない！」

言われた通り、窓からまた自室へと戻って

ベットへ転がって天井の一点を見つめた

ちゃんと聞いた本音

『なーんで気づかなかったんだろ』

泣かせた挙句、結局何も出来なかった俺

試合の件でああやって言ってくれたのに

俺は、ただただ仲間とバスケをして汗流して

6時に彼女を迎えに行く、それだけのことをしていて

その行動で、彼女をどれだけ傷つけたのだろう

『永瀬の言う通りじゃんか、、』

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