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6話 ページ8

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「その辺に飾ってる銅像とかには触るなよ罠が仕掛けてある」

『……はい』



重厚な門の前に立ち
不似合いな小さな呼び鈴がある
お兄さんはそれをぴっと鳴らすとそこから違う声が聞こえた


「はい!どちらさんですかー」

「俺だよ俺俺」

「どこの詐欺ですか、ちゃんと自分で決めた合言葉でお願いしますぅ」

「グルッペンです」

「ちゃうやろ、この前自分でもっとカッコええのがいい!って言うて頭下げてまで変えに来たやん、ほら、言いなさい」


「……後でまた変えに行くとするか

ん゛ん゛っ、革命的同志愛の最高の化身でありこの世界の輝かしい太陽であるグルッペン・フューラーです」


咳払いをしてよく分からない難しい言葉をすらすら言ってから
笑い混じりにどうぞーと言ってもんが開く
やはり長いな、と考え込むお兄さんはグルッペン?というのだろうか




「しかし、ロボロが何も反応せずということはお前にはやはり無いんだな」




にや、と面白そうなものを見るような目を向けられる
この人の言うことは少し私には難しい言葉が多いのだ
回りくどいって感じがする
兄さんに教えてもらったこと以外はほとんど分からないから困ったものだ


研究所とは違って赤色や黒色や様々な色がある城の中はなんだか新鮮でキョロキョロしてしまう
重そうなドアの部屋を開けてふかふかした椅子に座れと言われて大人しく座った


お兄さんは耳元にあるなにかに触れて
「全員総統室へ」
と、喋りかけている


私は目がいい、目だけはいいのだ
魔力は無いけれど誰しもが目を凝らせば魔力の有無関係なしに相手の魔力を感知できるそういう体の構造なのだ
お兄さんからはとても強い魔力を感じる
一緒にいて魔力を見る度にぴりぴりする感じだった
でもとっても暖かい
とても暖かいのだ
研究所の人たちからは全く感じなかった暖かさ
心がふわふわしてしまう



「さて、何からするべきだろうな」



さらっ、と私の髪の毛を掬ってそう呟く



「耳を怪我してるな、少しだけ話すつもりだ終わったらペ神に見てもらえきっと治せる」


『えと、はぃ……』


「我々の自慢の腕前を持つ医者だ」



耳はもう痛みも感じなくなっていて髪で隠れてるけれどきっと見るに堪えないようになってるだろう



「その後に食事だな、何が好きだ?」

『しょく、じ……なんでもたべれます…』

「いい子だなとびきりいいものを用意させよう」



そういって私の目の前のふかふかの椅子に足を組んで座るお兄さん

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作者名:くるぶしてゃん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年5月21日 17時

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