無知な少女は愛を知る【魔法パロ】 (ページ12)

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10話ページ12

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医務室へ行けば独特な消毒の匂いに包まれる
ベッドに座らされて採血されたり服を脱いである程度見れる範囲での傷やあざの把握をされる

ps｢……この傷…… なかなかに酷いね、｣

しんぺい神さんは私のお腹にある斜めに切り裂いたような跡をすっ、と優しくなぞる
しんぺい神さんは私の体にある残ったままの痣や傷を
治癒魔法で治してくれた
私の体はどうやら魔法がかかりにくいらしく、時間はかかったけれど綺麗に治った

『この傷は、消さないでください…あそこにいた証拠、みたいなもので……』

ps｢こんな酷いことする場所にいた記憶なんているのかな、｣

『残さないと……忘れる気がするんです、すでにほとんど思い出せないんです…おねがい、します』

しんぺい神さんが面の下で困ったような顔をしたような気がした
わかったよ、と言って私が着ていたのとは別の医務室に置いてある服を着せてくれた

ps｢後でお風呂にもはいるといいよ多分用意される部屋に付いてるしね｣

『はい……』

os｢はいってもいいかな？｣

カーテン越しに聴こえるオスマンさんの声
しんぺい神さんはいいよーと柔らかな返事をする
シャッとカーテンが開かれる

os｢どうやった？｣

ps｢んーまぁある程度の傷は治せたよ｣

os｢それはよかった、じゃ俺の番やね｣

ギシッとオスマンはAの横に腰かけベッドが軋む

os｢俺な魔法の中でも相手の頭の中とか記憶が覗ける魔法とか、相手の感情とかに干渉したりもできる少し使い方を考える魔法が得意やねん｣

『はい……』

os｢今からさ俺がAちゃんの記憶を漁りたいんやけど……ええかな？｣

『……大丈夫です』

じゃ、はじめるね、と言って
オスマンは目をぐっと閉じて私と額を合わせる
オスマンは優しく両手をAの眉間あたりに添えて
力をこめる

思わず一緒に目を瞑っていたが
少し目を開ければ顎から首筋を伝ってオスマンは汗を垂らしていた

『っ、ぉすまんさん…』

os｢ん゛、はぁ、、ふぅ、あっかんわ…｣

『えっと、』

声をかければ額を離して
はぁはぁ、と息を荒らげるオスマンさん

os｢なぁ、Aちゃんさ、研究所でさなんか魔術かけられたことあるかな｣

『あまり、覚えてないのですが…私には魔力がないからなのか…魔法がかかりにくくて、そういったことはされた覚えが無いと……思います』

os｢なるほど、ねぇ｣

なにか訝しげな表情のオスマンは
しんぺい神に視線を向けてアイコンタクトを交わす