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「ひとまずそこの椅子に腰をおかけください。飲み物はこれで良ければ」
「……嫌がらせか」
「あはは、そんな事ないですよ。善意です」
だからタチが悪いんだと思う。私はあからさまな態度をとってるのに、頑張って接しようとしてきているその根性が。
掴みにくい、それだ、あぁ。初めてあった人種。気弱そうだから
“禪院さんは的確ですよ。私より”
「(ほんと……普通、あれだけ言われてあんな返しするかよ!)」
「どうぞ、コップに入れたので」
急に視界の端から手が伸びてきて、仰け反る。そこには、スポーツ飲料の入ったコップ。やや透明な液体が波を立てた。
私はそれを、感謝もせず取って飲む。独特な味が喉を通過した時、ソイツはいきなり語り出した。
「…1日休めば3日分戻るそうですよ」
「……は?」
「私の母や教師に言われた言葉です。有名な話なので、耳にしたこともあるかもしれませんが…」
知らなかった訳では無い。単純に、「何の話をし始めたんだ」と思ったから、は?と言ってしまった。
「勉学や芸術的能力にその言葉はよく使われます。なので、運動能力に関連しているかは定かではありませんが…おかしな話です。日にちのものさしで測れるものではないでしょうに」
「……んで、何が言いたいんだよ」
口元に手を当てて笑ったものだから、思わず聞いた。ぶっきらぼうに。
「私、禪院さんが格好良いと思ったんです。人の顔を見てコソコソしている分際がこのような事を言うのは大層烏滸がましいと感じるかもしれません。けど、禪院さんの格好良さ、心の中にしまうには勿体無いと思って」
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作者 - 紅葉さん» 弐の方にもコメントしてくださっていたんですね!気づくのが遅れてしまってすみません!読んでくださってありがとうございます! (2021年2月24日 22時) (レス) id: abf4ad4153 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 五条先生の創作アルバム怖いですね……最後のセリフで「ヒェッ」ってなりました……。面白いです! 真希さんのツンツン具合がまた好き……続き読んできます (2021年2月22日 8時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - ゆうなさん» わっ、本当に申し訳ございません…。修正させていただきました!今後も当作品をよろしくお願いします! (2021年2月6日 23時) (レス) id: abf4ad4153 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな - いつも楽しく読ませて頂いています!あの、22話くらいから、名前変換ができなくなっている気がします。華瑠→華琉になっているからだと思われます!此方の不具合でしたらすみません…これからも応援してます!! (2021年2月6日 11時) (レス) id: 3ecb08afbf (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2021年1月26日 23時