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「五条。アンタが話があるって言ったんだからさっさと来なさいよ」


後ろから凛とした声。噂をすれば、庵さんだ。

五条さんに呼びかけた庵さんは、私の方を一瞥した。なので深く頭を下げる。

顔を上げて「鈴鹿Aと申します」とだけ挨拶をすれば、ビックリ顔の庵さん。


「あ…貴方、五条の女?」


「えっ!?違います違います違います!」


全力で否定すれば、庵さんは安心したかのように言う。


「そうよね。五条がこんないい子捕まえるわけないし」


散々な言われようにチラッと五条さんを見れば、「酷くね?」と言いたげな顔。


「と言うか、鈴鹿Aってまさか、結人(・・)候補の…」


「え?ユイビト?」


知らない単語にハテナが浮かぶ。


「君の通り名だよ。歌姫、その話はこの子の前でしないで」


「はぁ?」


通り名に、私の前ではしない話。

五条さんはやっぱり隠し事をしていて、きっとそれは私の術式について。

不快ではない。ただ、自分は一体何者なのかという不安だけが頭を回る。


「ごめんね、君とは時間のある時に話したいんだ」


「はい、待ちます」


返事をすると、五条さんは私の頭を撫でた。久しぶりのそれに、顔が緩む。

そこに、バッと身体を引かれる感覚。


「い、庵さん…?」


「こんの…セクハラ男ォ!」


「えぇ!?」


庵さんが石を五条さんに投げた、勢いよく。

五条さんは以前話して下さった無限とやらで、石を避けること無く受け止める。


「何してんのよ!」


「何って、頭撫でたんだけど」


「それが頭可笑しいのよ!距離感考えて行動しろ!」


騒ぐ庵さん。私は呆然とする。


「別に普通の事だし、歌姫のコミュ糞と一緒にしないでよ」


「誰がコミュ糞だ!生徒ならまだしも、20歳過ぎた女を撫でるのはセクハラ!」


「(…やっぱり距離感おかしかったんだ!?)」


ぶわっと顔に集まる熱。五条さんは誰にでもそういう事をするのだと思っていたけれど、そりゃそうだよね、生徒だけだよね。

多分私と生徒の区別ついてなかったんだろう…。


「ハイハイ。じゃあさっさと行こう。置いてくよ歌姫」


「アンタが私を待たせてたんだよ!」

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作者 - 紅葉さん» 弐の方にもコメントしてくださっていたんですね!気づくのが遅れてしまってすみません!読んでくださってありがとうございます! (2021年2月24日 22時) (レス) id: abf4ad4153 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 五条先生の創作アルバム怖いですね……最後のセリフで「ヒェッ」ってなりました……。面白いです! 真希さんのツンツン具合がまた好き……続き読んできます (2021年2月22日 8時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - ゆうなさん» わっ、本当に申し訳ございません…。修正させていただきました!今後も当作品をよろしくお願いします! (2021年2月6日 23時) (レス) id: abf4ad4153 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな - いつも楽しく読ませて頂いています!あの、22話くらいから、名前変換ができなくなっている気がします。華瑠→華琉になっているからだと思われます!此方の不具合でしたらすみません…これからも応援してます!! (2021年2月6日 11時) (レス) id: 3ecb08afbf (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2021年1月26日 23時

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