19話 : 知らない ページ19
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五条が瞬きをする。
次の瞬間、Aの瞳は澄んだ蒼色のままだった。
しばらくの沈黙。
五条はそれ以上はわからないと口を閉ざしたAの前で、
もう飽きた、とでも言うような表情を浮かべる。
「……傑、俺先風呂な」
「……、は?」
夏油は、間抜けな声を上げる。
その声がツボに入ったのか、ケラケラと笑う五条。
その様子に、家入も夏油と同じく驚いている様子。
「さ、悟?
急に何を言い出すんだい?」
「だって、こいつに聞いてもわかんねーだろ?
なら、聞くだけ無駄だろ?」
確かに一理ある。
しかし、状況は何一つ前進していない。
五条は立ち上がり、ソファに座り直して再度口を開く。
「大体、六眼持ってる時点で御三家と何らかの繋がりを持っていることは分かったろ。
こいつが何者かや術式をもっているとかは、この際どーでもいい。
Aは恐らく、いや確実に御三家や上が怯える何かを持っている。
だから、こいつに何かあった時唯一対処が出来そうな俺のところに持ってきたんだ」
楽しそうに話す五条。
そして、Aの首根っこを掴み、
「……だから、こいつ呪術師にしよう!」
不敵に笑う五条。
夏油と家入は再度驚き、頭を抱える。
「悟、ちょっと待ってくれ」
「何?」
「話が跳躍しすぎだ…!
私たちが今、彼女に聞きたいのは彼女の持つ眼と術式のことだ
それが分かれば、彼女が何者か少しだけでもわかる……」
という夏油の言葉を遮り、
「これ以上のことは、こいつ自身よく分かってねーんだよ」
「……何故、そう思うんだい?」
「呪力を知らないのに、こいつは呪力をコントロールしていた。
いただきます は知らないのに、食事という行為は知っていた。
つまり、こいつは何も知らないんだよ」
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さくら(プロフ) - コメント失礼します!読めることが嬉しいので、ルーシェさんが書きやすい方で、大丈夫です!!更新頑張ってください! (2020年11月15日 0時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
ミサカ - コメント失礼いたします。更新方法についてですが、他の皆様もおっしゃっているように私も作者様のしやすい方法がいいと思います!ただ、個人的には本誌の時間軸のも読みたい、、という葛藤もあります、、どちらでも応援しています!頑張ってください(^^) (2020年11月14日 20時) (レス) id: 621bb75200 (このIDを非表示/違反報告)
Night(プロフ) - 初じめましてっ!!いつも更新楽しみに読ませてもらってます!!私は分けても分けなくても喜んで読みますっ!ルーシェさんが書きやすい方で無理ない程度にできる方で…。この作品めちゃめちゃ好きです!!更新頑張ってください!! (2020年11月14日 20時) (レス) id: a001c22ffc (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - ただ原作編の夢主が現作品から何か変化(性格とか考えとか)があった設定であった場合、ちょっとネタバレ感あるかな?と。個人的にはどちらでも嬉しいので作品さんの負担にならない方でお願いします!長文失礼しました。応援してます!頑張ってください! (2020年11月14日 19時) (レス) id: 14272ccc3a (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます。アニメ最高ですね!発狂して怒鳴られました笑この作品もめっちゃ好きです。作品のことですが出してもらえたら全然読みます!むしろwelcomeです。 (2020年11月14日 18時) (レス) id: 14272ccc3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーシェ | 作成日時:2020年10月26日 1時