愛屋及烏 【呪術廻戦】

11話 : つかえない ページ11

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そして現在。






｢は？人参の皮ってどこまでなわけ？？｣



｢玉葱もこれ、どこまで剥くんだよ…｣



｢なぁ、じゃがいものコレ何？｣






と調理以前の問題で……、






｢……仕方がない、私達も手伝おう｣

｢五条、使えな〜い｣

｢ｱﾞｱﾞ？？｣






とテレビの電源を落とし、キッチンへ向かう。






｢私はじゃがいもを担当しよう｣


｢じゃあ、私人参

五条は、私の隣で玉葱ね｣





仕事を分担し、作業を始める。



夏油はテレビを消しても、目線を変えずピクリとも動かないAを呼ぶ。






｢Aちゃん、私を手伝ってくれないか？｣





と聞くと、Aは夏油を見つめ、頷き、移動する。



夏油の隣に並ぶと、夏油は体をかがめて、






｢私がじゃがいもの芽をとるから、

Aちゃんは皮を剥いてくれないか？｣






とAにじゃがいもと包丁を差し出す。



Aはそれらを受け取り、夏油を見つめる。






｢…どうした？｣






受け取ったのに作業を始めないAに、夏油は困惑する。



Aはそんな夏油の様子を見て、

手に持っていた物をもう一度見つめて、首を傾げる。



すると夏油は、やり方がわからないということに気が付き、





｢ああ、まずは私がお手本をみせるよ｣






と差し出した2つを、自身の手へと戻し、綺麗に皮を剥いていく。






｢これを、やって欲しいんだ

できるかい？｣






と聞くと、Aは頷き、再度、包丁と剥きかけのじゃがいもを受け取る。






｢あ、夏油

皮むき器もあるけど……｣






家入が夏油に声をかける。



夏油は、確かにこの歳の子が包丁で切るのは難しいか…、と考え、

Aにそれを提案しようと、そちらを見る。



が、その目に映った光景は

Aがいとも簡単に包丁を扱っている様子だった。



夏油は目を見開く。



言えば理解してくれることは分かっていたが、

見せれば難なく理解し、行動出来るとまでは思っていなかった。



恐らく、自分がAくらいの年齢の時はまだここまで器用に何かを扱うことは出来なかったはず…、

と考えながら、ひとつ疑問が生まれる。



ここまで理解力があり、素直であるにも関わらず、何も知らないのは何故か？と。



先程まで一緒に見ていたテレビも、

電源をつけると、驚き興味を示していた。



その様子はまるで、初めてテレビというものを見た といった様子だった。










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