呪術廻戦〜貳爪探し〜

食事の後 ページ29

お腹が膨れる程度にはピザを食べた私

…何より楽しかった

率先して会話に入ることは出来なかったけれど､雰囲気だけで十二分に楽しむことは出来た

初日でこの状態だったら上々だろう

ピザを食べ終えた皆はUNOを始める

私はソッと席を立った

「あれ､Aは参加しないの？」

『うん 先生に呼び出しされてるから…ありがとね 野薔薇"ちゃん"』

「悟も空気読めねーな 歓迎会なんだから楽しんだもん勝ちだろ」

私はパンダ先輩の言葉に苦笑しながらも､食堂を後にした

Aが去った食堂は少しの間静まり返る

「…野薔薇"ちゃん"か…私あんま信用されてないのかなー？」

「別に性格の問題じゃねぇか？」

「しゃけ」

野薔薇以外の皆は特に気にしていない様子

UNOのカードを机上に積みながら話す

やはり高専内に新しく現れたタメの女子が嬉しくて仕方のない野薔薇は､何がなんでも仲良くなりたいようだ

「ゆっくり時間をかけてきゃいいだろ はい､俺UNOー」

そう言ってパンダはペイッと中央に1枚のカードを放り投げる

「え？！パンダ先輩はっや！」

「おい棘､お前UNOって言ってないぞ カード2枚追加な」

「お"かッ…！」

「…このゲーム狗巻先輩にはキツくないですか？」

そうして夜も更けていく

…全員が疲れも眠気も全て吹き飛んでいた




『先生､言われた通りちゃんと来ましたよ』

私は離れの一室…襖を開けて顔を出した

数人が大きな座卓を囲んで座っている

座卓の上にはピザの空箱

「よーっす！」

元気に片手を上げて笑う虎杖

「あれ､別に今日じゃなくてもいいって言ったんだけど」

『…聞いてませんよ？』

「あれ〜？」

部屋には五条先生､虎杖君､それに…知らない女性？

「そうそう､此奴は家入硝子 高専専属の医師さ」

「どーも…ん？君どこかで会ったことある？」

『…え？』

少しの沈黙

「…いや､気のせいか」

そう言って自己解決してしまう

…目立つ隈に…失礼ながら､酒臭いと思ってしまった

「今､君 酒の臭いがするって思ったろ？」

『い､いえ？！』

なんで分かんだよ､とは言えず…

「君を呼び出したのはね､一応Aの能力を測っておきたいと思ってさ すぐに済むよ」

能力を測る…

呪力なんて持ってないし…体力測定でもするってこと…？

「はーいそれじゃ此方の部屋にどうぞー！」

五条先生は立ち上がり､奥の部屋の襖を開く

中は まるで柔剣道場かのような造りに沢山の蝋燭の光

私は案内されるがまま隣の部屋に入っていった

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