アイドルが無双しちゃっていいんですか！？

じゅうきゅう ページ21

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曲を一旦止めてもらう


確かこれは帳というやつだっただろうか


でもどうして今帳が降りている？


もしかして…


「会場にお越しの皆様は落ち着いて避難を開始してください」

避難を促すアナウンスが流れる

折角のコンサートが台無しだ。


観客が帳の外へ出ようとするが当然出られない。


「サナさん、控室に一旦避難を」

後ろからスタッフに声をかけられた

とりあえずここは一旦ステージを降りて控室で着替えて悠仁達に連絡を入れたほうがいいだろう

「…わかりました」

そのスタッフの後に続きステージを降りる

それにしてもこのスタッフ、汗が尋常じゃない位でているが大丈夫だろうか？

「あの、大丈夫ですか？汗が凄いですよ。もし体調悪いなら救護テントの方まで…」

そう言ってそのスタッフの手を取ろうとした瞬間

そのスタッフがいきなり叫びだして化け物に姿を変えた


「…ぁ、え？」


状況がいまいち理解出来ない。

どうしていきなり姿が変わったんだ…？


「やぁ始めまして」


後ろから声が聞こえてきた。恐る恐る振り向く


「……これ、やったのって貴方？」


「そうだよ。……あは、もう死んじゃってる」

そう言って元々は人間だった化け物に近づいてしゃがむ

「君、新しく高専に入ったって子でしょ？」

そう言って下から顔を覗かれる

「…はい。そうですけど…呪霊の貴方が私に何の用ですか？自分から祓われに来たとか？」

「あはは…まさか。」

そう言って立ち上がると私の周りを一周して観察される

「ふーん……。君の術式って…」

途中まで言いかけると考え込むように黙ってしまった。

「まあ、いいや。俺は真人、よろしくね」

よろしくって…貴方呪霊でしょ？なんて思ったけど一応自己紹介をする

「じゃあ、早速俺と一緒に来てくれるかな」

「…はぁ？貴方私達の敵側なんでしょ？そんなホイホイとついていく訳ないじゃない」

「えー、今さっきよろしくした仲じゃん。……どうしても来ないって言うならここにいる大勢の人間全員、この人間みたいにするけど」

そう言ってもう死んでる体を指差す

あの帳はここにいる観客を外に出さない為か

そして人質にとってる

大規模ライブだから結構な人数のお客さんがいるのに…


「……分かった。ついていくわ」


渋々返事をするとニヤリと口角をあげて私の腕を掴む

「それじゃ、行こうか」

結局悠仁達に連絡すらできなかった。

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