好き ページ16
私は自室に入った後、すぐにドアの鍵を閉めた。
ああ、私のバカ!! 何を考えているんだ!!
好きだとばれたく無い人に向かって、結界を放つバカが居るか!! ……ここにいる。
私は手で顔を覆った。
もう、泣きたくなってくる。
「Aさん!」
突然、背にしていたドアから声が聞こえた。
「Aさん! 返事をしてください!」
「……もう帰れ」
今は一人にさせてくれ。
「いいえ、帰りません。……本当は顔を見て伝えたかったが、この際だから言う。
俺もAが好きだ」
「……は?」
本当に? いやいや、罠かもしれない。
「信じられない。何か、証拠はないのか」
「証拠、そうですね……Aさんの好きなところを上げましょうか?」
「……言ってみろ」
「最初に愛おしく感じたのは、お風呂に入った時でしょうか。弱っているあなたを見て心に違和感を感じたんですが、今思えばあれは恋愛感情だったのですね。
それとあとは……」
彼は淡々と私への愛を語ってくれた。
「も、もういい。充分わかったから」
それと、恥ずかしい。
「そうですか? まだ話せますが。ああ、それと、伝えたいことがあります」
そう言って彼が話し始めたのは、私を殺す計画のことだった。
彼が言うには、私をヒプノシス国に連れて行った後、私を殺すという計画を騎士団で立てていたらしい。
そして、その計画を言い出したのは入間銃兎。
「でも安心してください。私はその計画を今潰しました。そしてAさんと立てたい計画があるんです。
と、その前にここを開けてくれますか?」
私は恐る恐るドアを開けた。
「やっと顔が見れた。ありがとうございます」
「……」
「Aさん」
俯いていると、彼は私の両手を優しく取る。
見上げると彼と目が会う。
「Aさんへの愛は、一生をかけても伝わりきれません。
なので、死ぬまでAさんへ愛を伝えさせてください」
これ、知っている。小説で何度も見た。プロポーズというものだ。
まさか私へのプロポーズを聞けるとは思わなかった。
涙が伝う感覚がしたが、この手を離したくなかったから拭わなかった。
ええと、なんと返そう。
こういうものはロマンチックに返すべき? そうだな……
「許可する……」
なんだその返しは。生意気だ。
「ふふ、その口調も好きなところの一つです」
そう言って入間銃兎は笑った。
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ボムサ(プロフ) - *つむり*さん» わかりましたか? (2021年6月30日 23時) (レス) id: 30c887b2ae (このIDを非表示/違反報告)
*つむり*(プロフ) - ボムサさん» なんとか絞り出してみます……!! (2021年6月28日 17時) (レス) id: a3e5e92948 (このIDを非表示/違反報告)
ボムサ(プロフ) - *つむり*さん» 気づいてください〜〜! (2021年6月28日 17時) (レス) id: 30c887b2ae (このIDを非表示/違反報告)
*つむり*(プロフ) - ボムサさん» そうなんですか!?このコメントを頂いてから少し考えてみたものの……。押韻をさがせ!ですね(笑)もう少し思考を巡らせてみます……!! (2021年6月28日 17時) (レス) id: a3e5e92948 (このIDを非表示/違反報告)
ボムサ(プロフ) - *つむり*さん» 実はもっと踏んでだりしますよ (2021年6月22日 17時) (レス) id: 30c887b2ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ボムサ | 作者ホームページ:http://user.nosv.org/p/tyantoneyou/
作成日時:2021年3月19日 17時