太宰治が入水をする理由。

<入水 ４> ページ4

.



｢初めまして！
今日から貴方様の幹部補佐を務めさせて頂きます
幸田Aです！よろしくお願いします！｣




第一印象は元気



本当にこの子はマフィアなのだろうか、と思う様なほどの笑顔に、明るい挨拶



聞かずには居られなかった





｢君、殺しはした事ある？｣





彼女は一瞬きょとん、とすると
また直ぐに笑顔になった



｢いいえ！
情報収集や書類整理等しかやった事はありません！｣




...何故、この子は私の補佐になったのだろう




この位まで行けば、殺しは必然





この子に、こんな純粋な子に
人を殺せるとは思えない






私はそこまで優しくは無い





使えなかったら、切り捨てる




それがポートマフィアだ




｢悪いけど、君に私の補佐は向いていないよ｣



｢あー！私の事小っちゃいからって舐めてますね！？
これでも今年で１６ですよ！｣




私と大して変わらないね





だけど、




｢小さいね
中也より低いよ｣




あの中也でも見下せそうな程、彼女は低い




正直、今も彼女を見ようとすると首が疲れる





｢これから伸びるんですー！｣


皆さん、何でそんな身長に目が行くんでしょうかね、森さんだって...




と、愚痴愚痴 私の前で今までの不満を漏らす彼女




森さん..？嗚呼、首領の事か





...嗚呼、駄目だ。


首領と彼女の関係も気になり始めた






愚痴を漏らしていた彼女が、急に笑い出した




いきなり大声で笑い出すもので、流石の私も少し後ずさる




｢あ、済みません。急に...ふふっ

いやァ、何だか私と太宰さん、気合いそうだなぁ、ッて...ふふふ｣





どこが






矢張り、理解出来ない






嗚呼、それと...と彼女は付け足す様に口を開いた









.









｢私、殺しとか肉体的な事はとても無理ですけど...








─────────『 精神破壊 』なら、どんと来いですよ｣








彼女は笑いながらあたかも普通の事の様にそう口走った







...化けるね、この子




.

<入水 ５>→←<入水 ３>

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す