黒バス 短編集 【オレンジ】

【手料理２】　誠凛高校　maisリク ページ43

「皆ー、出来たよ？」
　
机に並んだ『普通』の料理を見て、日向君や小金井君は「おー」と何故か感動し、
　
水戸部君に関しては、声にならない声を挙げているようだった。
　
いち早く席に着いた小金井君は、カレーを１口、口に含んだ。
　
「う、美味いっ！！これ、ちょー美味いんだけど！」
　
小金井君の言葉に飢えた選手達は、カレーにかぶりつく。
　
「マジで美味ぇ。Aも食ってみろよ、ほら。」
　
と、日向君はカレーが乗ったスプーンを私の口に入れた。
　
「味見したから、普通に美味しいのは分かって…って、ちょ！////」
　
気づくまで、２秒くらいかかった。
　
これは、一度日向君が口に含んだスプーン…。
　
「ちょー、日向ぁ！それ、間接キスだろーー！」
　
小金井君が、私の言いたかったことを代弁するように日向君に直球に言う。
　
「し、知るかっ！/////」
　
日向君は、耳まで真っ赤にして、黙々とカレーを口に運んでいた。
　
「Aちゃん、口にカレー付いてるよ？」
　
土田君が親切に教えてくれるけど、何処に付いているか分からない。
　
「えー、土田君何処？」
　
「俺が取ってあげるよ。」
　
伊月君は、私に近づき、頬に触れると、
　
カレーが付いていると思われる所を躊躇うことなく…舐めた。
　
「い、伊月君！？////」
　
「伊月、何してんだぁぁぁ！」
　
さっきまで、カレーを黙々と食べていたはずの日向君が
　
伊月君の胸ぐらを掴んで、今にも喧嘩をし始めようとしていた。
　
近くでは、水戸部君がおろおろしている。
　
「２人とも、水戸部君の気持ちも考えて！」
　
やられた私の気持ちも考えて欲しいんだけどね…////
　
その中で１人、「ごちそうさまでした」と手を合わせる人が居た。
　
「もういいの？黒子君。」
　
「はい、もうお腹一杯です。」
　
ふぅ、と満足げな溜め息が黒子君の口から零れる。
　
「A先輩、料理ご上手ですね。」
　
「そう…かな？」
　
「はい、いいお嫁さんになれると思います。」
　
その黒子君の言葉に、私の身体がぼっ、と熱くなる。
　
「お嫁さん！？////ムリムリ、彼氏だって居ないんだし…。」
　
「なら、僕が立候補してもいいですか？」
　
瞬間、何が起きたか分からなかった。
　
しかし、時間が経てば徐々に分かった。
　
私は、黒子君に唇を奪われたのだ。
　
「「あぁぁぁぁぁ！！」」
　
　
手料理
　
合宿だからこそ、好きな子の美味い手料理食いたいじゃん。
　
　

　

　
　

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