検索窓
今日:53 hit、昨日:85 hit、合計:39,507 hit

ページ16

『うっ…ぐすっ』

知らなかった。そんなこと、私はお母さんのことが大好きで、お母さんの傷になりたくなくて。

『お母さんのことを嫌いになったことなんて一回もないよ…これからも、世界一尊敬してる女性だよ』
「…ありがとう美乃」

私が泣き止むまでの間、お母さんはずっと私の頭を撫でてくれた。久しぶりの感触だけど、10年前と何も変わらない、優しい手つきだった。

コンコン

「空中さん、警察の方がいらっしゃっていますが、通しますか?」
「大丈夫?美乃、無理なら一度断っても良いのよ」
『いや、少しでも捜査に協力して早く犯人を捕まえたい』
「…隣にいて一緒に話を聞くわ」
『うん』


「失礼します。空中美乃さんですね」
『はい』
「私、〇〇署の平田と申します」

そこからは事件について私が知っている限りのことを話した。
具体的な身長はわからないが、体系は少し太っていてガタイが良い黒いジャンバーを着た男。
顔は視界が歪んでいて正確なことは言えないが、不精髭に赤黒い眼鏡をかけていたことは覚えている。

「結論から言いますと、現場付近が駅の近くだったこともあり、監視カメラも多く。調査はまだ途中ですが、カメラに空中さんがおっしゃっていた男の姿が映っていました」
「じゃあ捕まえられるんですか!?」
「現在、男の居住地を探っています。足取りからして恐らく近所に住んでいるでしょう」
『…』

自分の近所にそういうことをしてしまえる人間がいる事実に、背筋が凍った感覚がした。

「こちらが監視カメラで捉えた容疑者とみられる男の写真です」
「美乃が言った特徴と同じに見えますけれど」
「そうですね。空中さんにご質問なのですが、この男と面識はありますか?」
『…いいえ、見たことないです』

「美乃が恨まれていた可能性があるってことですか?」
「あくまで可能性です。まだ男の身柄を確保できていないですから。ですが明後日には一度、男の身柄を確保できると思います」
『ありがとうございます』
「いえいえ、これが仕事ですから。また何か進展があったら連絡します」
「よろしくお願いします」

良かった、犯人の様相を覚えてて。その記憶がなかったら操作は行き詰ってただろうし。
ふぅ、と安堵の息を漏らしたと同時に母が「あっ」と何かを思い出した様子で声を出した。

・・→←再起に至りたい



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
330人がお気に入り
設定タグ:2j3j , ymoi , 女主人公
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ヨッシー(プロフ) - 柚葉さん» ありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです! (2023年5月13日 21時) (レス) id: f4f0a0a1d1 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - このシリーズとっても面白くて大好きなんです!更新頑張って下さい! (2023年5月13日 19時) (レス) @page33 id: c43a5d752c (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - 栞華さん» コメントありがとうございます!やっと界隈が落ち着いて私も一安心してます。 (2023年3月15日 18時) (レス) id: 95ee8f64c0 (このIDを非表示/違反報告)
栞華(プロフ) - 待ってました!!公開ありがとうございます!! (2023年3月15日 18時) (レス) id: ccdafaece3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ヨッシー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/  
作成日時:2023年2月10日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。