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その赤に安心した自分がいた ページ37

顔を見れば、あの頃よりも少し皴が増えて、白髪を隠すために髪を黒に染めたんだなとわかる髪色。そして、いつも通りのどこか狂気じみた顔。

『わざわざ…事務所まで来たの』
「まぁ!私にタメ口!?やっぱり変な仕事をしたせいで口も悪くなってるし、頭も悪くなってしまったのね…!大丈夫よ、お母さんがまた一から貴女を賢くしてあげるから…!」

そう言って捲し立てて、抵抗する私の腕をグイグイと引っ張り、どこかに連れていこうとする。

『わ、私は…!ここでやりたいことをやるの、私の人生は…私の__』

パシンッ

勢いよく左頬に来た衝撃、懐かしさすら感じるひりひりとした痛みに、意思表示を強制的に止められる。

「私にこんなことさせないでよ…!Aのこと大切にしたいのに!口ごたえするから、頭が悪くて将来性がなくて誰からも称賛されない仕事なんて、辞めなさい!Aのために、言ってるって、何回言わせるの!」

両肩をぎゅうぅと掴み、何度も私を前後に揺さぶる。顔を真っ赤にして、ヒステリックに叫んで。まるで何も言わない人形に自分の思いの丈をぶつけるだけみたいで。
あぁ、次は髪を掴まれるんだっけ。いつもの流れだと。じゃあ、頭傾けて少しでも痛くないようにしないとなぁ。














「アンタ、さっきからやってることヤバイって自覚してる?」

一番、見られたくなかったのに。

私とあの人の間に割って入って、自分の背中で隔てるように私を後ろに隠した。彼の顔を見た瞬間、あの人が激高し始めたのに気づく。あぁ、まずい。

「あんた、私のAを誑かした男でしょう!?弱ってるその子に付け込んで家に入るなんて__」
「へぇ、1回しか入ってないし熱出した娘さんを玄関まで送っただけなんすけれど。ていうか、それどこで手に入れた情報なんです?」
「玄関…?探偵よ!この子家も携帯番号もすぐに変えるから毎回__」

「あらら、個人情報搾取にしかも盗撮までしてる感じで?しかも暴力ときたかぁこりゃ大変だ」
「家族の問題に入り込まないでくれる!?あんたのような薄汚い頭が悪そうな男に__」
やめて…やめてよ……悪く言わないでよ…

「…さっき娘さんに掴みかかったり叩いてた様子、カメラに収めてるって言ったらどうします?警察呼びますね」
「は___、覚えておきなさいよA!貴女は完璧でなきゃいけないんだから!!!」

気づけばあの人はいなくて、目の前にはローレンだけがいた。

「事務所入るぞ」

・→←裏



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ヨッシー(プロフ) - 529zinbeizameさん» ありがとうございます!頑張ります! (9月20日 20時) (レス) id: 0cce0d85d6 (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - 作品の感じとっても好きです!更新されるの楽しみに待ってます📣📣 (9月20日 16時) (レス) id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨッシー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/  
作成日時:2023年9月18日 18時

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