【銀魂】副長補佐は………… 【土方十四郎】

第百六十一訓　　行け ページ8

noside



『だが悪いねお嬢ちゃん、アンタと遊んでる場合じゃないんだよ』



こっちこそ遊んでるつもりはない、とAは言おうとしたが、ある事に気付いた。同時に近くにいた土方も気付いたのか、周りにいる隊士に向かって声を張り上げた。



『急いで物陰に隠れろォ！』



その直後、戦場に銃弾の雨が降り注いだ。倉庫の２階に元々用意させていたものだろう。真選組の隊士だけではなく、攘夷浪士も撃たれている。



(敵味方関係なしか……)



Aは近くにあったコンテナの影に隠れることが出来たので、状況把握に専念した。土方が早めに気付いてくれたお陰で、大体の隊士は難を逃れた。



近藤が無事でいることに、Aは安堵したのか息を吐いた。そのとき、視界に入っていたはずの者が動いた。



牧本だ、この銃撃の間にこの場から逃走しようとしていた。



人を殺して金を盗んで逃げて、今度は自分の部下を殺してそのまま１人で逃げようとしている。



Aは奥歯でギリィと噛み締める。アイツはどこまでも最低な男なんだと。



最低な男でも、付いて来てくれた部下達がいるというのに。



銃撃が止まった、きっと弾を替えているのだろう。A、沖田は互いに視線を合わせて走り出した。Aは牧本の元へ、沖田は武器を使っている奴の元へ。



『行けェ！総悟、A！』

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