9話 ページ9
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「先輩のせいで帰っちゃったじゃないですか」
「えっ、俺のせいなの!?」
瀬見先輩を挟んで、天童先輩と私が並んで歩く。
横から見る瀬見先輩は、特に輝いて見える。
きっとこういう人が、漫画で言う王子様や学園の人気者でヒロインと恋に落ちる人。
私がそのヒロインで。
キラキラとした目、裏表のない素直な可愛らしい後輩ポジション、よく笑って少し天然なヒロイン。
そして瀬見先輩はイケメンでしっかり者だけど、ヒロインの前では少し気が抜けてしまうの。
「まあ、後輩女子からしたら背の高い男バレは同学年ならまだしも先輩は怖いよな」
そう言って瀬見先輩は笑った。
そーなの!?と大袈裟な身振り手振りで驚く天童先輩。
天童先輩、行動がうるさい……
はぁ、と1つため息をついて月を見上げる。
別れ際の交差点、私が瀬見先輩について行こうとしたら天童先輩に首根っこ引っ張られて連れて行かれた。
「お前の家はこっち!」
「私はお前じゃなくてAAって名前があるんです!」
「じゃあAA! さっさと帰るヨ!」
なんでこんな頑なに送っていこうとするの、この人は。
ほっときゃいいのに。
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時雨 彩(プロフ) - りんねむさん» コメントありがとうございます。リンゴの例えはちょうどリンゴを食べてたら思いつきまして笑そう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いしますね! (2020年1月23日 21時) (レス) id: f6b47ef514 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼します!林檎の例え話が凄い!!もう凄すぎて凄いとしか言えない!!思わずコメント欄来ちゃいました!!これからも更新頑張って下さい!陰ながら応援しておりますm(_ _)m (2020年1月23日 21時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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