41話 ページ41
*天童side
「お母さんにワガママ言えたら、俺の悩み聞いてヨ」
袖の先を引っ張る彼女。
猫背もピンと張るほど驚いて、俺よりもだいぶ小さいAちゃんを見る。
俺の悩みなんて、誰に言っても聞き入れられないのは明白。
Aちゃんならなおさら。
「そんなの今でも聞きますよ」
少し心配そうに俺の顔を覗き込むAちゃん。
ダメだ、ダメだ。
Aちゃんは優しいんだから。
その優しさにつけ込んでしまいそうだ。
俺は歯を見せて笑って、首を振った。
Aちゃんに悟られないうちに、さっさと帰ってしまおう。
「じゃあネ」
Aちゃんの顔を見ないよう、早歩きで家に向かう。
心臓の音と顔の熱さ。
それから罪悪感と自己嫌悪。
Aちゃんの1番近くにいるのは俺だって信じ込んでいる俺に嫌気がさす。
入ってるものは同じはずなのに、いつもより重いエナメルバッグ。
心の重さ？ なんて。
俺は制服だということを忘れ、走り出す。
冷たい空気が俺の喉に勢いよく流れ、凍るような痛み。
「くっそ……」
俺が英太くんだったら良かった。
せめてAちゃんの好みの容姿だったら。
そんなこと思ったって仕方ないのに。
女々しいな、俺。
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時雨 彩(プロフ) - りんねむさん» コメントありがとうございます。リンゴの例えはちょうどリンゴを食べてたら思いつきまして笑そう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いしますね！ (2020年1月23日 21時) (
レス) id: f6b47ef514 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼します！林檎の例え話が凄い！！もう凄すぎて凄いとしか言えない！！思わずコメント欄来ちゃいました！！これからも更新頑張って下さい！陰ながら応援しておりますm(_ _)m (2020年1月23日 21時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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