5話 ページ5
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「……なんでついてくるんですか」
「俺も! こっちなの! 自意識過剰か!」
「瀬見先輩がよかった」
「俺だって、お前みたいな後輩送るのなんてごめんだネ」
2人顔を背け、それでも2人並んで点々と街灯が照らすだけの暗い道を歩いていく。
たまに通る車が怖い。
その後は沈黙。
別に話したい訳でもないし、1人で帰ってると思えばなんでもない。
そうまっすぐ先を見ながら歩いていると、急に横に引っ張られる。
「こっち歩いて」
「なんでですか」
「道が狭いから危ないんダヨ」
何回轢かれそうになってんの、と呆れ口調でため息混じりに言う天童先輩。
狭い白線を超えて、車道にはみ出た状態。
天童先輩には関係ないじゃん、なんて。
ていうか、私と帰るのが嫌ならさっさと歩いて帰ればいいのに。
私は早く帰りたくないからゆっくり歩いてるのに、わざわざ歩幅合わせて。
「天童先輩が危ないでしょ」
「俺は背が高いから、ドライバーからも見えるんです〜」
「別々に帰れば解決」
「あんな看板立ってなけりゃさっさと帰ってるヨ」
そう言って天童先輩は前を指す。
指さす方向に、怖い絵と一緒に大きく痴漢注意と書かれた看板。
もし被害にあったら俺が気分悪い、と付け足す。
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時雨 彩(プロフ) - りんねむさん» コメントありがとうございます。リンゴの例えはちょうどリンゴを食べてたら思いつきまして笑そう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いしますね! (2020年1月23日 21時) (レス) id: f6b47ef514 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼します!林檎の例え話が凄い!!もう凄すぎて凄いとしか言えない!!思わずコメント欄来ちゃいました!!これからも更新頑張って下さい!陰ながら応援しておりますm(_ _)m (2020年1月23日 21時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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