35話 ページ35
*
「あっ」
瀬見先輩とわかれ、天童先輩と私の2人が並んで歩くいつもの帰り道。
私はふと声を上げる。
前にお母さんが元テニス部だってことを教えたくて、家に呼んだことがあった。
結局呼ばなかったけど。
その時のことを思い出し、ついあっと声が出てしまった。
天童先輩にその趣旨を伝えると、忘れてたと笑った。
「今日、うち寄ってきます?」
「そんなにお母さんのこと話したい?」
「話したいです」
天童先輩はスマホで、親に"遅くなる"と連絡してうちに来ることにしたらしい。
家に着くなり、天童先輩は感嘆の声を漏らした。
「すっげ、めっちゃ広い」
「ご飯も食べてきます? 今日は自分で作る日なんで、良かったら天童先輩のも作りますよ」
「マジで!? 食うわ!」
いつもなら家に入るなり、リボンを外して制服を脱ぐ。
でも今日はそれをする訳には行かない。
リボンだけを外して、第1ボタンを開ける。
手を洗って、ひとつに髪を結ぶ。
エプロンをつけて冷蔵庫の中身を覗く。
天童先輩はリビングに入ったまま立ちっぱなし。
「座んないんすか?」
「えっ、じゃあ失礼しまーす」
「天童先輩、チャーハンとうどんどっちがいいですか?」
「振り幅すご」
「卵かけご飯もできますよ」
「エプロンいらねーダロ」
天童先輩はチャーハン、と笑いながら答えた。
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時雨 彩(プロフ) - りんねむさん» コメントありがとうございます。リンゴの例えはちょうどリンゴを食べてたら思いつきまして笑そう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いしますね! (2020年1月23日 21時) (レス) id: f6b47ef514 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼します!林檎の例え話が凄い!!もう凄すぎて凄いとしか言えない!!思わずコメント欄来ちゃいました!!これからも更新頑張って下さい!陰ながら応援しておりますm(_ _)m (2020年1月23日 21時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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