27話 ページ27
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「答えたくないなら言わなくていいけどさ、俺の推測は合ってる?」
答えなかったら答えはYESになる。
NOとハッキリ言い切るには天童先輩の説明は完璧すぎる。
私は唇を噛む。
天童先輩はそんな私を見て、なにも無かったかのように帰ろうかと言った。
「あってます」
「そうなんだ」
心臓がバクバクと大きな音を立てて激しく動く。
頭が真っ白になって呼吸も乱れる。
なんでもないような顔してるけど、きっと天童先輩も困惑してる。
してるに決まってる。
沈黙が続いて、それに耐えられなくなって乾いた目を閉じて私は震えた声で言う。
「私はデミロマンティック、で、今まで誰に対しても恋愛感情は持たなかったです」
「そっか」
「でも、恋愛って必ずしなきゃダメなんですか?」
天童先輩は恋愛が全てじゃない、そう言ってた。
違う、私の今の言葉は天童先輩に向けてじゃない。
楽しそうには恋人とはしゃいだり、好きな人のことで盛り上がっていたり、恋愛ソングを作ったり歌ったりしてる人に向けて。
天童先輩に向けて言ったって仕方ないのに、天童先輩はウンウンと頷くだけ。
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時雨 彩(プロフ) - りんねむさん» コメントありがとうございます。リンゴの例えはちょうどリンゴを食べてたら思いつきまして笑そう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いしますね! (2020年1月23日 21時) (レス) id: f6b47ef514 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼します!林檎の例え話が凄い!!もう凄すぎて凄いとしか言えない!!思わずコメント欄来ちゃいました!!これからも更新頑張って下さい!陰ながら応援しておりますm(_ _)m (2020年1月23日 21時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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