19話 ページ19
*天童side
Aちゃんの家から離れて約10分。
薄い月も、ついに雲に隠れて見えなくなってしまった。
受験生だって言うのに何してんだろ、俺。
校門で大会帰りの生意気な後輩待ってたり、その後輩を家まで送ったり。
Aちゃんのことは嫌いじゃない。
かと言ってあの生意気な小娘が好きかと言われればそうとも言えない。
あえて言葉にするなら"放っておけない子"だった。
突然胸ポケットの中で振動する携帯。
また英太くんか、とため息混じりに画面に表示されてる名前を見る。
そこにはAAの文字。
「もしもし！？ Aちゃん！？ 何かあったの！？」
歩くのを忘れ、電話に出るなり道端で立ち止まって話す俺。
お母さんがいるって嬉しそうに帰っていったのに。
なんでわざわざ英太くんじゃなくて俺に電話してきたの？
「お母さんが仕事行っちゃった」
「ハァ！？」
心配して損した、そう思うと同時に変に気を使わずにAちゃんの家に行けばよかったという後悔。
泣いた後のような弱々しい声。
怒りと不安と不満と、寂しさが含まれている。
「天童先輩……？」
「いつもと同じじゃん、大会の武勇伝でも話したかったの？」
「話したかった、です……」
鼻をすする音や、しゃっくりのような声。
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時雨 彩(プロフ) - りんねむさん» コメントありがとうございます。リンゴの例えはちょうどリンゴを食べてたら思いつきまして笑そう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いしますね！ (2020年1月23日 21時) (
レス) id: f6b47ef514 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼します！林檎の例え話が凄い！！もう凄すぎて凄いとしか言えない！！思わずコメント欄来ちゃいました！！これからも更新頑張って下さい！陰ながら応援しておりますm(_ _)m (2020年1月23日 21時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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