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五「だから寝よ?」
『ちゃんと教えてくれる?』
五「うん。」
『わかった』
ゆっくりとした手つきで私の頭頂部から背中まで撫でる手の心地良さに誘われてぱちぱちと何度かゆっくり瞬きをした。
五「おやすみ。」
『ん、…おやすみ』
ちゅ、とおでこにキスをされる。
形の綺麗な唇の両端を上げて微笑んでいる悟の顔をみて私もつられて微笑んだ。
私の頭から背中を撫でていた手が背中で止まってポンポンと一定のリズムを刻んでいる。
『ねそう』
五「寝ていいよ。」
落ち着いた声でそう言われてふわふわとした気分で目を閉じた。
『………ん、』
目が覚めると隣でスースー息をしながら私の方を向いて子供みたいに丸まりながら寝ている悟が目に入った。
だいぶしっかり寝た気がする。風邪特有の倦怠感もすっかり無くなってて体が軽い。
何時だ、と思い枕元にあるケータイを見ると12時29分と映し出されている。
寝たのが確か9時過ぎぐらいだった気がするから3時間は確実に寝てる。
やば、私今日の夜寝れるかな?と思いながらゆっくりベッドを抜け出した。
『……36.5度』
リビングにあった体温計で体温を測ると寝起きにも関わらず36.5度と平熱。
『全っっ快』
いぇい、と両腕を天に向けて突き上げ腰を少し反らすと寝すぎて体が訛ったのか腰がボキボキっと音を立てた。
1度洗面所へ言って顔を洗い、歯を磨く。
悟が起きるまでにご飯作ろう。寝不足の癖に一晩中看病して寝る時間より私のご飯が大切だと言ってくれた悟にせめて、と思って冷蔵庫を開けた。
今年の12月は大切なイベントが詰まっていた。
5年ぶりの悟の誕生日に5年ぶりのクリスマスそして5年ぶりの年越し。全部悟と被せて休みを出したのにも関わらず全て却下された。寧ろその日会えないように地方任務を入れられた。こればっかりは上層部の人間全員殺そうかと意気込むくらい腹立った。
いいじゃん恋人の誕生日祝うくらい!!!ゆっくりさせてよ!!と思いながら当日会えないけど、と前日に徹夜でケーキを作ってこれから一緒に使おうと言う意味も込めてアロマ入りの加湿器を送った。
誕生日前日は悟が任務で東京にいなかったので、帰ってきて最初に目につく玄関に手紙と一緒にプレゼントを置いてその手紙には日頃の感謝とケーキあるよと書いてから泣く泣く地方の任務に向かったのは記憶に新しい。
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かな(プロフ) - 最高に面白かったです‼︎こんな素敵な夢小説を作ってくださりありがとうございます!今日から"親友の姉"読み始める予定です、読む前からとても楽しみです‼︎ (2022年10月30日 9時) (レス) @page48 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
おちゃきち(プロフ) - 裏も含め、最後までイッキ読みさせていただきました!『親友の姉』作品を読んでから、こちらの作品にも来たのですが、行動も心情も細かい所まで表現されていて、惹き込まれました。なんか、ずっと見てたい作品だなと、とても思いました…。これからも応援しています!! (2021年10月25日 14時) (レス) @page48 id: 78dc48b955 (このIDを非表示/違反報告)
希(プロフ) - 華渚さん» ぅおおぉおおぉ(( ズッシャァアアアアアアァ(スライディング受け取り) (2021年3月30日 8時) (レス) id: e45cad31e5 (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - 希さん» さぁこい!() (2021年3月30日 8時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
希(プロフ) - 華渚さん» ありがとうございます!頂きます!(遠慮無さすぎ) (2021年3月30日 8時) (レス) id: e45cad31e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華渚 | 作成日時:2020年12月5日 19時