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料亭の玄関先に車を停めて貰って車から降りて運転席の窓を開けてもらいそこから顔だけ覗かせて言う。
『今日も運転ありがとう。この後も任務があるから迎えはいらないよ。』
と懐にしまっていたブラックコーヒーを取り出して友蔵さんに渡す。
友「そんな、頂けませんっ、」
『いいんですよ。』
受け取って貰えそうにはないのでカップホルダーに缶コーヒーを差して料亭に入っていく。
「いらっしゃいませ禪院様。」
従業員が迎えてくれる。見てる限り全員非術師。この料亭はお抱えって感じじゃないな。でも佐光家が取引に使う料亭であるならば女将さんぐらいは事情を知っててもおかしくはないか。
『こんにちは。』
「ご案内致します。」
女将さんの後ろをついて行く。
「…失礼致します。」
個室に着いたのか女将さんが一声掛けて襖を開いた。
すると着物を着た3人が私に向かって頭を下げている。
「お、お初に、お目にかかります。私、佐光家当主
「妻のめいでございます。」
「…佐光家長男忠でございます。」
『…面を上げてください。』
女将さんに下がってもらい、部屋に入る。恐らく私に用意された上手の座椅子にお行儀よく座る。
『お初にお目にかかります。禪院家当主の禪院Aと申します。以後お見知りおきを。』
丁寧に頭を下げると上げていた顔をまた下げた。
茂「今日はこちらの我儘をお聞きして頂き有難く思います。」
『いえ、私も少し息抜きがしたかったのでいい機会でした。』
茂「はは、聞いてた通り気立てのいいお嬢さんだ。」
『過大評価ですよ。』
それから少ししてお料理が運ばれてお酒も少し嗜む程度に腹に流す。色々話題は尽きないがずっと話しているのは私と当主と奥さんだけ。肝心の忠さんはずっと下を向いて黙々と話を聞いてるだけで入っては来ない。
料理も食べ終わり、ここの日本酒美味しかったな、と思いを馳せていると最後のデザートが運ばれてきた。ここまで忠さん話さなかったな。
『……忠さん、』
忠「は、はい!」
突然話しかけられてびっくりしたように返事をする。今日初めてちゃんと顔を見たが、気の弱そうな青年というかんじで、両親からは想像出来ない優しい雰囲気を纏っている。
『…少し、散歩をしませんか。』
忠「あ、えっと、」
茂「Aさんからのお申し出だぞ!!」
めい「そうよ、忠。」
忠「えっと、よろしくお願い致します。」
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華渚(プロフ) - ましゅふわさん» 今復活した時の事書いてます!もうすぐ書き終わるのでもうしばしお待ちを!! (2020年11月15日 23時) (レス) id: 18351af9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅふわ - まさか五条先生復活うぅぅぅぅぅぅ!?まじビックリしました!!!それとイケメン!!!イケメン!!!(誰とは言わない)更新頑張って下さい!!! (2020年11月15日 22時) (レス) id: d8537287d4 (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - 蒼李さん» コメントありがとうございます!今から怒涛の追い上げです笑ちょっくら更新頑張ってまいります(`・ω・´)ゞ!! (2020年11月15日 22時) (レス) id: 18351af9b9 (このIDを非表示/違反報告)
蒼李(プロフ) - 初コメ失礼します。ふああああああああってなりました!!!!!!!!展開が展開が!!!と、読みながらうめいてしまいました。失礼しました。 (2020年11月15日 21時) (レス) id: 924852892b (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - 琉亜さん» いえいえ、むしろ教えていただきありがとうございました! (2020年11月15日 19時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華渚 | 作成日時:2020年11月11日 22時