39.恐怖とは ページ39
そんなある日だった。
今日もまた、会うのかな。気持ち悪さと向かい合わせ、でも卓ちゃんにも迷惑かけられないし。
一度結んだ、髪を解き、顔を見合わせなくてもいいように長い髪を顔の横に流して、いつも通り仕事用の靴を履いて家を出た。
「おはようございます。」
「お、おはようございます。」
挨拶だし、返さないわけもいかなくて、
「ああ、今日はスカートではないんですね。」
なにかを言われて、ここまではいつも通りだった。
9階から降りるエレベーターの中、私は警察に行こうと決意をする。
「ポニーテールの方が似合ってましたよ」
「・・・え?」
「どうして髪の毛下ろしてしまったんですか?」
「な、なんで」
「Aさんのことずっと見てますから。」
そう怪しく笑ったその人をエレベーターに残し一階に着いた瞬間マンションを飛び出た。
タクシーを捕まえてすぐに乗り込む。
「ち、近くの警察まで!!」
どうして?今日一度髪の毛を結んだことを知っている?いつも見てるってどういうこと?隠しカメラ?盗撮?どうして?
ガクガクと震えが止まらなくて、急ぎ会社に遅刻のことを言った。
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作者名:ずゅん | 作成日時:2017年9月9日 0時