おるすばん 1 ページ9
明日から月曜日。
実家から二人で住むマンションに
帰ってきた。
明日から雅紀は学校。
もちろん俺も会社なんだけど
夜にミーティングがあって
そのあとは飲み会で
上司の接待がある
「しょーちゃんいいよ。おれ待ってられるから。」
事情を説明すると
なんだか余裕の表情で答える雅紀。
むしろ嬉しそうにしている。
なんだか寂しい…俺。
「お仕事だもんね、しょーがないよ」
「大丈夫か？ひとりで。」
「平気だよ？おれ、おーちゃんとこ行ってる」
・・・・それでか、雅紀。
“おーちゃん”とは俺の幼馴染。
大野智のこと。
美大を出て今は
海外で買い付けたアンティークな代物を
自由気ままに売っている。
雅紀の高校からは歩いて行ける距離で。
昔も今も何かと世話になっている人。
「行ってもいいでしょ？今度ね、今描いてる絵を見せてくれるって約束してたの！」
「そっか。うん行ってていいよ。俺もそのほうが安心だし」
「やたっ」
今にも飛び跳ねそうな声で喜ぶ。
なんだかお兄ちゃん…寂しいよ。
すぐさま智くんにメール。
『もちろんいいよ〜』
って、またふにゃんとした返事がきた。
「しょーちゃん、ピアノ弾いていい？」
ルンルンの雅紀が聞いてくる。
時計を見ればもうすぐ21:00になるところ。
マンションだから隣近所が気になる時間。
「うーん、どうしても弾きたいならヘッドフォンだな」
「わかった」
このマンションには
電子ピアノが置いてある。
実家から大きなアップライトピアノは
運ぶのが大変ということもあって
高校の入学祝も兼ねて購入したもの。
夜でもヘッドフォンを付ければ
音漏れを気にすることなく弾ける。
雅紀が鍵盤を叩く音だけがリビングに響く。
ピアノを弾く雅紀の後ろ姿は
踊っているようにも見えて楽しそう。
しばらく観察していると
もう満足したのか
雅紀がくるっと振り返った。
「なに、もう終わり？」
「うん」
「どうした？」
「しょーちゃん…明日、早めに帰ってきてね」
「智くんのとこ行くから楽しみなんじゃないの？」
「うん楽しみ…でもやっぱり寂しい」
あぁ、なんて可愛い弟よ
お前に翻弄されっぱなしだよ、兄ちゃんは。
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＊ｈａｎａ＊(プロフ) - RICOさん、完結おめでとうございます。素敵なお話をありがとうございました。RICOさんの作品が大好きです。最後まで読ませて頂けて、とても嬉しかったです。また新しいお話を楽しみにお待ちしています。 (2016年8月27日 0時) (
レス) id: 748fb966ed (このIDを非表示/違反報告)
RICO(プロフ) - はっしーさん» ありがとうございますっ！！またはっしーさんにコメント頂けるなんて嬉しいです♪はい！自分のペースでゆるーく頑張ります!(^^)! (2015年10月10日 20時) (レス) id: 8abeff3ab3 (このIDを非表示/違反報告)
はっしー(プロフ) - 就職決まっておめでとう！よかったね〜♪パフパフ〜♪♪ずっと読みたかったから更新の案内見て飛んできました！そしたらなんとも嬉しいニュースが！！これからもいろいろ忙しいだろうけど自分のペースで更新して下さい。待つのは得意なのでのんびり待ってま〜す♪ (2015年10月9日 22時) (レス) id: 1d879c733a (このIDを非表示/違反報告)
RICO(プロフ) - ゆうちゃんさん» 同じ相葉担さん嬉しいです♪これからも暇つぶしにでも読んで頂けると嬉しいです！よろしくお願いします(*´∀`*) (2015年5月1日 11時) (レス) id: d1fc9b87a2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうちゃん - 私は相葉ちゃんが大好きです！ いっつも、出てくる相葉ちゃんが楽しみです！ RICOさんの小説が大好きになりました！これからも頑張ってくださいね。 (2015年4月30日 21時) (レス) id: 369e55d056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RICO
| 作成日時：2015年3月21日 1時
