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62 (Fside) ページ29

マネージャーも、宏光の状況は分かっている。

固まったまま、口をつぐんでしまった。






「俺達もフォローします。だからお願いします。」

「お願いします!」






口々にお願いするメンバー達にマネージャーは溜め息を付いた。







「……分かりました。…でも、このままじゃ無理です。今から病院行って少しでも熱を下げてもらいましょう。」

「ありがとうございます!」








マネージャーに連れられ、宏光はすぐに病院に向かった。

残った俺達は宏光を待ちつつ、宏光に何かあった時にすぐフォローが出来るよう、再度今日の打ち合わせを行った。






本番直前、病院から帰った宏光は点滴で熱を下げてもらったらしく、幾分顔色も良くなっていた。






「ごめんね…皆。」





帰ってすぐに頭を下げた宏光に皆苦笑い。






「ミツ、ごめんじゃないでしょ?」

「え?…あ…うん…ありがとう。」







渉の言葉に照れたように笑った宏光。






「頑張ろうな!」





メンバーに囲まれたまま、生放送にそのまま出演した。





俺達の番は運よく後半。

座っている間は隣に座ったメンバーがさりげなく宏光を支え、体に負担がかからないようにフォローした。

歌の途中一瞬フラつき、ドキッとした場面もあったが、隣にいた玉がさりげなく支えてくれたおかげで事なきを得た。



生放送は無事終了。

皆がホッと胸を撫で下ろす。

これまでで一番緊張した1時間だった。





終わった時には立つ事さえも出来ず、俺の胸に倒れこんだ宏光。






「良く頑張ったな。」

「太輔…」






宏光の汗を拭いながら、頭を撫でる。






「我儘言ってごめん。皆、ありがとう。」






笑顔を見せた宏光。









次…


本当に宏光の姿がここから無くなってしまうなんて




この時の俺はまだ思っていなかった…






.

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作者名:MISA | 作成日時:2014年6月3日 22時

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