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58 (Fside) ページ25

宏光の可愛いお願い。

散歩なんて大したことじゃないけれど、俺達二人にとっては大きな壁がある訳で…





「こうして手を繋いで歩いてみたかったんだよね。…太輔に気持ち伝える前にさ、いいなぁ、ってカップル見ながら思った事があってさ。」






照れながら言う宏光は可愛くて、抱きしめたくなる。






「結構良いもんだね。夜の散歩も。」

「うん。今日は月が綺麗だねぇ。」






ふふっ、と笑う宏光の横顔が、月の光に照らされてとても綺麗だった。

細くなった指を絡めて握り直すと





「おっ。恋人繋ぎ。」





と嬉しそうに笑う。







2人の足音だけが響く夜に、






「好きだよ…」






と、呟いた。







********




マンションに着いて、コーヒーでもいれようとキッチンに向かおうとした時






「太輔」






宏光に呼ばれた






「ん?」







振り返ると宏光のキス。







「宏光…」

「…愛してるよ。」






堪らなくなって、自分から唇を押しつけた。






「…今日は、このまま抱いてよ。」







キスの合間に上目遣いで誘う宏光







「何だよ。散歩に行ってその気になっちゃった?」






茶化して、宏光の気を逸らそうとした。






「俺はいつでもその気だよ。触れてくれないのは太輔の方だろ?」

「だって…」

「俺は…抱いて欲しいよ。」






散歩してた時から、抱きたい衝動を抑えるのに必死だった。

なんなら、毎日我慢してる

こんなに可愛い事言われたら、限界来ちゃうんですけど…






「体、辛くなるだろ?」

「…このままの方が辛いよ……俺…太輔を感じたい。」






首に抱きつかれ、耳元で感じる吐息。






もう自分を止められなかった。





.

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作者名:MISA | 作成日時:2014年6月3日 22時

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