53 （Tside） ページ20
ワッタ―からの電話で、すぐに車を出した。
偶然宮田と一緒に食事をしていて、宮田に話すとすぐニカに電話を入れてくれた。
ニカは千賀に連絡して、2人で探してくれるらしい。
最近、ミツの元気がない事には気付いていた。
でも、それが病気のせいなのか、他に思い悩んでいる事があるのか、俺には分からなかった。
ミツにちゃんと声を掛けていれば良かったんだ。
今更、後悔が押し寄せた。
「最近、ミツ、元気なかったもんな…」
助手席で俯いた宮田も同じ事を考えているみたいだ。
ワッタ―が俺達に協力を求めてきたって事は、それだけ切羽詰まってるってことだ。
「急ごう。」
宮田の肩に手を置くと、「うん」と顔を上げ前を見つめた。
ミツの居そうな所を手当たり次第当たっていく。
けれど、ミツはどこにもいなくて焦りばかりが募る。
「どこにいるんだよ…」
東京から離れてもう少し先を探そうかと、車を飛ばしている時だった。
「あ、ガヤさんだ。」
宮田のスマホに着信が入る。
見付かったのか…？
「……うん。…うん。分かった。………玉、ミツの居場所分かったって！」
どうやら俺達が一番近くにいるみたいだ。
宮田のナビで、ミツがいる場所に移動する。
「宮田…ここって…」
「うん。…玉、多分ミツはこっちだよ。」
着いた場所は、以前7人で来た場所。
ミツが「また皆で来たいな！」と言っていた海だった。
見覚えのある景色を探りながら、必死で走る。
「玉！ミツいた！」
誰もいない深夜の浜辺にミツは１人、膝を抱えて座っていた。
月の光だけが頼りの暗い浜辺
波の音が怖いくらいに響いていた。
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作者名：MISA
| 作成日時：2014年6月3日 22時
