48 (Yside) ページ15
予定より早めに仕事が終わり、最近できなかった料理を楽しむ。
お腹いっぱいになって、ソファでゆっくり寛いでいる時だった。
テーブルに置かれたスマホが着信を伝える。
「おっ、太輔だ。……もしもし?」
向こうから聞こえた太輔の弱々しい声に一瞬、言葉が詰まった。
「どうした?…何かあったの?」
『宏光が、いなくなった…。』
仕事から帰ると、待っているはずの宏光はおらず、家に一度も帰っていないようだと言う。
ミツとは数時間前まで一緒にラジオの仕事をしていた。
“今日はこれが最後の仕事。藤ヶ谷が来るから、早く帰らなきゃ。”
そう言っていたのを思い出した。
今日は少し体調が良くなかった様子で、マネージャーが心配してミツを支えながら出て行ったのを見ていた。
「携帯は?」
『鳴らしたけど…出ない。』
時計を見ると、ミツが局を出てからもう数時間が経っている。
マネージャーがマンションまで送って行ったはずだから、部屋に帰っていないと言うのも不自然だ。
「太輔、今どこ?……分かった。すぐ行くから、そこで待ってて」
ミツのマンションに急いで行くと、太輔が心細そうに俺を待っていた。
「渉…どうしよう。宏光、どこ行ったんだろう?」
「マネージャーには連絡した?」
「まだ…。なんか…騒ぎが大きくなったら…あいつ…帰ってこない気がする。」
「どうしてそう思うの?」
「あいつ…最近すげぇ落ち込んでて…。検査の結果、あんまり良くなかったし…仕事の事も気にしてて…
その上、俺が熱なんか出したりして…」
ポツリポツリと、か細い声で答える太輔。
太輔をソファに座らせ落ち着かせると、俺はスマホを手に取った。
「……あ、もしもし、俺。…今1人?………ちょうど良かった。ミツがいなくなったんだ。一緒に探してほしい。玉、車出せる?………うん。俺は太輔と一緒に探す。………いや、それはまだ。……うん。……うん。よろしく。」
「…玉?」
「今、宮田と一緒にいるって。健永とニカにも連絡取ってくれる。一緒に探そう。」
「渉…」
「大丈夫。ミツは帰ってくるよ。俺達だけでまずは探してみよう。」
動揺で震える太輔の手を取り、自分の車に乗せて夜の街を走り出した。
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作者名:MISA | 作成日時:2014年6月3日 22時