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「少し休憩を入れようか。 お気に入りのケーキ屋さんのマドレーヌをあげよう。詰まった話ばかりしては、気が滅入ってしまうからね」
「？……僕が可愛いのは、今に始まったことではないけれど？」
「ふふ。いい子だなあ、僕に好かれようと頑張っているんだね。えらいえらい。ご褒美に……ほら、お口を開けてごらん。食べさせてあげる」
「なんでも受け止めてあげるよ。ほら、受容って、結局愛に近いじゃないか」
「僕以上に、純度の高い錬金術を浴びている者がいて、たまるか」
「僕こそがホムンクルス。僕こそが英知のもと。この子を呪うなら、まずは僕を呪い返してみろよ。僕の全てをかけてでも、この子を守る義務があるんだから。なんたって、高貴な者は、何物にも膝を屈さないからね」
「君はどうだろうか。君の役に、僕は立てただろうか」
「ん？ うふふ、問題ないさ。僕は、とびきり死ににくいから。少しの無茶にも……ほら、愛嬌があるだろう？」
「それでは、これでQEDだ。君の求める真理は、見つかったかな？」
「───────まったく、君は困った生徒だ！ 僕を困らせるのがそんなに楽しいかい？！ “その割には笑ってる？”……大人をあんまり揶揄うから、そうなるんだ。終わりのない証明なんて型落ちだろ？ ……まあ。意外に、可愛がるのが上手かったんだろうな。僕も、君も」
「あははっ！ もう、僕は沢山断ったでしょう？ それでも僕を飼い主に選ぶとは……ふふ、賢い猫だ！ いいよ。諦めてあげる。首輪でもつけてあげようか。君の名前を刻んだ首輪を──────ね。ほら、君の勝ち取った特等席だよ」
「幸せなんて、もういらないんだ。もう、十分もらったよ。欲しいのは……そう、たとえば、わずかな悪戯心と、真実が心地よい世界だとか、そんなものだ」
「ねえ。ちょっとだけ、期待してもいいかな？」
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