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「姉貴。実家から赤味噌が送られてきたんだけど、絶対姉貴のだよな。もしかしなくても、俺宛の将棋盤、そっちの寮行ってねぇ? 凡そ、シシバの字だけ見られたんだろうなと思うんだけど……」
「疲れた? やりたくない? アッハハ、めーっちゃわかる!……でもそれ、サボっていい理由になるのか? …へえ。ふうん、そう」
「……それならさぞかし、お前の人生は楽なんだろうな」
「アハハ、───────独り言だよ」
「全く。どうかしてるぜ、ホント。…天才はこれだから困るんだよ」
「いや、流石に喋りすぎだろ。なんでアイツまだ在籍してんの? 授業聞かねえくせにのさばってんじゃねーよってな」
「アハハ、空気読めねぇの気づいてねぇのかな。てか、声かけただけオレも偉いけど……あ、オマエもそう思う? 奇遇、オレら普通に仲良くなれるじゃん。 ま、昨日アイツにもそう言ったんだけど」
「気を回す理由?……どうしても、監視されている気分になるんだよ。オレがやれ、って言われている気がして。クソ、不健康な強迫観念だぜ」
「都合のいい人間って、絶対孤独にはならないんだよな。アハハ、どうだ?……オレは、上手くやれてるか?」
「この勝負、勝てるな」
「あっ、クソッ見過ごした……! クッッソ負けた、もう一戦!!」
「あ? 何その着崩し。ダッセ。後フツーにそれ校則違反だよな。あー、掟は破る方がカッコいいとか、そういう系?……まぁ好きにすればいいけど、寮長に迷惑かけるのはやめとけよ。オマエんとこの寮長、オマエが思ってる五億倍怖ぇぞ。何って……双子の弟からの、忠告だけど?」
「勉強は何のためにするか? 将来、楽に生きていくための貯金だ。二度と束縛されないため、そのための鍵だ。……そうに、決まってるだろ」
「効率的じゃない。全く惹かれないな。というかオレ、それ興味ないな。……あ? “前はもっと優しかったのに?” そりゃオマエ、あれは建前だぜ」
「何。失望したかよ。……アッハッハ! 人を見る目がねーのはお互い様なようだなぁ? だいじょうぶだよ、明日には“優しい”オレに戻ってるから」
「チッ。……また、上手くいかねぇ」
「ウルセエ。バカ。ボケ。オレは今完全に拗ねてんだよ」
「バカッ、勝手に一人になんな! オレの手が届かないところに行くんじゃねぇよ!……ああ、いや、いい。こっちの話だから。怪我、ねぇか?」
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