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【性格】
雲心月性。彼はさっぱりとした性格で、誰の持つ背景も重視せず、本人のみを見据える心がある。世の道理を上手く理解し弁えながらも、卓越した対応力によって、すべての人間に対して平等に接することができる。言い方を変えれば、特別な人間を作れない。作ろうとはしているものの、その結果は大抵空回りである。それは今まで人を信頼したことがなく、自分自身が孤独に適応しているため。今更水辺に砂塵を集めたところで、城にはならないことを自覚していないのである。しかし言うまでもなく、その徹底的なまでに淡白な独善意識は、どんな場でも他に追随を許さぬ傑作を生み出していく上で、彼の器用さと幸運さに由来している。損を投げ込み報いを受けるのは、疑いもなくあなたである。なぜなら、彼の生まれ持った平等意識の中では、誰も味方にできない代わりに、誰も彼の敵にはならない為だ。彼によって悪が悪と見通されれば、きわめて自然に、周囲の空気と雰囲気は、勧善懲悪の気配を帯びていく。その在り方には、明確な覇気はあらずとも、目覚ましい先導者としての実力があることは克明に分かるだろう。
被星戴月。彼は道理に通ずる全てにおいて、その身を焦がすほどの努力家である。人間の努力に必要な最大のエネルギーは、敗北者の忸怩たる思いだ。彼はいつも全てに劣等感を感じながら、その余裕を演じている。彼は本来、人を助けるような善人ではない。余裕のある人間は、いつでも人を助けることに躊躇しない。その規範への目標意識のもとに、彼は努力して、周りに気を配り、全身全霊で課題を克服している。周りが知っているよりも必死に、見えない場所でも、自分を更新し続けている。課題を克服するときのみ、彼は自分の力を信じていられる。彼は謙虚で、誰のことも見下さない。その代わりに、誰の思いも彼の視野には入らない。彼の人生は、二度と課題に─────神に敗けない自分を作るためだけに、動いているのだから。
【魔法道具】
紅色のしめ縄に似ている紐。普段は右腕に結んでいる。紐の片端を中指に括らせて結んでおり、引っ張って解くことで使用する。左手で解き、空中に投げて自由な形状変化をさせる。余裕のない時は口で解くこともある。
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