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「フフ。賛辞に預かり光栄ですわ。しかし、聖騎士たるもの、当然のことをしたまでです。この功績も、ただの“1”に過ぎませんの。けして驕らずに、ただ誇らしく、堂々と生きていくまでですわ」
「ろっ、ローストビーフ……ッは! は、はしたないわ、わたくしったら。文字通り、食指が動くだなんて。で、でも……でも、とても、美味しそう」
「もうッ、あああ、意地悪をしないで。あなたって、なんて悪戯な人なの!……そ、そんな。嫌いだなんて、思っていないけれど……ああッもう、言ったそばから! わたくし、ッき、嫌いになってしまうわよ!」
「おばかさん! もう! わたくしが居なかったらどうしていたの!」
「あああ、いけません! わたくしったら、どうして、どうしてこうなってしまうのかしら……ううん、いけない。いけないわ。自責ではなく追求よ、リタ。ええ、どうか、冷静に──────そう…真実を、見なければ!」
「最適解を授けましょう。あなたのために、わたくしのために」
「どうして膝をついておりますの? 次に勝つまでが、試合でしてよ」
「裏切られることばかり想定していては、前には進めません。最善はいつでも、ゆっくり、着実に、一歩ずつの道のりで征くべきものですから。裏切りさえ、手駒にするのですよ」
「すなわち、全てを想定いたしますの。いつしか訪れる、完璧を目指すために。こんなことは出来て当然で、きわめて単純なことですわ」
「理想論、上等ですわ。 わたくしよりも強い理想のお方がおりまして?」
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