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「何やってるんだ?……お、数学だ。ほーんなるほど、ここか。結構進んだんだな、もうこの単元の時期か。この時の研究員さん、誰だった? 良ければ俺が話を通しておくから、直接質問しに行けよ。俺が教えてあげてもいいんだけど、この学園では研究員との繋がりも大事だからな。これを機会に作っておくといいよ」
「科学後退、万歳だ!いやー、地球に対して全くエコじゃ無い生命だからこそ生まれる無駄の残骸、最低だ。地上に行った彼らを国民栄誉賞にするのも近いだろうなあ...…ああ、いけない。指名手配犯だったな。けれど英雄であると思うよ、俺はね」
「俺が主に研究してるのは、応用数学だ。中でも、経済学に直結した、より数値化された事象に関心がある。たとえば、このデータを指数に換算してグラフにすると、それぞれのグラフがX軸を中心に対称になっていることが…聞いてるか? いーや、聞いてないね。寝てただろ。興味ないのは構わないけれど、聞いておいて寝るのはなかなかだぞ」
「写真?ああ、興味あるのか。最近は吹奏楽部に提供したりとかもしてるから……あ、これだ。夕焼けが綺麗でな、かなり自信作だよ。実は、数学と同じくらいのめり込んでいるんだ」
「嫌いなもの?いや、特に無い……、無い、が。強いて言うなら、チョコレートが、実は、少し、ちょっとだけ、苦手、だな。いや、食べられないほどでは無いが。いや、貰っても困るというか、そのだな」
「困るって言ったよな。なあ。俺言ったよな。聞いてない?君といつも一緒にいる奴に伝えたぞ、チョコレートは嫌いだって。伝わっていない訳が......いや。まあ、まあな。貰ったものにうだうだと言うのは、性に合わない。貰っておくよ。どうも」
「
「バカはこれだから困るんだ。あげる側のお気持ちだけで人に伝わっていると思ってる。貰った側の気持ちなど、欠片も考えていないんだろうな。偽善者が。メス犬が。クソ。捨てるに決まってんだろ、こんなもの」
「俺の実家が怖い? ああ、俺が全員粛清していくから大丈夫だよ」
「ああ゛?……あいつが、何だって?」
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作者名:松宮カナメ | 作成日時:2022年8月27日 18時